生活保護費の不正受給はこうしてバレる!
お疲れ様です、ローンウルフです。
ネットやニュースで生活保護費の不正受給がたびたび取り上げられます。でもこうした不正受給はどうやって役所側にバレるのでしょうか?現役のケースワーカーが解説します。
不正受給の法的な定義とは
不正受給という言葉をよく聞きますが、みなさんは不正受給の法的な定義をご存知でしょうか?生活保護法における不正受給とは、「不実の申請その他不正な手段により保護を受け、又は他人をして受けさせた」行為のことをいいます。
生活保護法第78条に規定があり、我々ケースワーカーは「ナナハチ」と呼んだりしています。簡単に言ってしまうと、収入があるのにないとウソの申告をしたり、収入があるのにそれを福祉事務所に申告しないこと等により、生活保護を受ける・受けさせる行為のことです。
生活保護費の不正受給の約9割は「課税調査」で判明する
不正受給があるかどうか調べるため、各自治体の福祉事務所は年に1回「課税調査」というものを行います。課税調査とは、生活保護法第29条に基づき、福祉事務所が所属する自治体の課税情報を調べ上げ、本人がちゃんと収入を申告しているか確認する作業のことを言います。
私は課税部門にもいたのでこうした事情に詳しいのですが、住民税の担当部署は事業所から届く給与の情報、税務署からくる確定申告書の情報、年金の支払先から届く年金の支払報告書の情報を保有しています。
そのため、本人が申告していない給与や年金の情報は、住民税の担当課の課税情報を見れば一発でバレるのです。この課税調査により、不正受給の9割近くが発覚することになります。課税調査についてより詳しく知りたい方は下記の記事を参照ください。
それ以外にたまにあるのが匿名の通報です。「誰々は〇〇の収入があるのに福祉事務所に報告していない。不正受給してるぞ!」とか「生活保護受けてるのに車乗ってるヤツがいる!」などの匿名の通報が時々あります。まずみなさんにご理解いただきたいのは、こうした匿名の通報に対し、その人が生活保護を受給しているかどうかはお答えすることはできません。個人情報ですからね。
ですが情報は聞き取らせてもらい、記録に残して場合によってはその情報を元に調査をすることもあります。そしてこれも申し訳ないんですが、調査の結果、また調査をするかどうか自体も回答できませんのでご了承ください。
ちなみに不正受給をしているからといって生活保護が打ち切りになったりすることはめったにありません。不正受給だけを理由として生活保護を廃止するという規定は生活保護法にはないのです。刑事告発するかどうかも、発覚した時期、金額、本人が調査に協力的かどうか、家庭状況等が加味されます。
なお不正受給した金額については、残っているお金があればまずはそちらから支払わせ、なければ今後支払われる保護費から差し引くこととなります。
生活保護費の不正受給はやめましょう!簡単にバレます。
やはり不正受給をしているとどこかしらに歪みが生じます。数か月ではわからないことが多いですが、1~2年たってくるとそれが表面化していきます。収入のわりには生活に余裕がある、仕事をしていないはずなのに日中あまり家にいない、人間関係のもつれから周りの人間が不正受給を福祉事務所に通報する等が起きてきます。
「経理をきちんとやっていないところで働けば市区町村に収入の情報が行くことがないので、そういう所で働ければ収入が福祉事務所にばれない」
なんていい加減なことを言っているサイトもありますが、そもそも経理を適切に行っていないような職場が、あなたに対してきちんと労働条件を守って給料を払ってくれる保証はあるのでしょうか?働かされるだけ働かされて、労働の対価を得られないのであれば本末転倒だと思います。実際にそうした事例を私自身も見てきました。
異変を感じたら我々ケースワーカーは金融機関に調査をかけたりし、不正があるかどうかを調べあげます。収入を隠しててもほとんどわかるし、不正受給の場合は所得税、交通費等の必要最小限の金額しか経費として認められなくなり、そのぶん本人の今後の生活保護費が減ることになります。本人のためにもならないので収入があったら必ず申告してほしいものですね。
ディスカッション
コメント一覧
78条で「不正受給の場合は経費の計上が原則認めらず」とあるが、交通費は必要経費として控除できるはずなので、ここは修正したほうがよいと思う。
コメントありがとうございます!
誤解を招く表現であったので訂正させていただきました。ご指摘ありがとうございました。
ドラマだから綺麗すぎる。もっとドロドロしているだろうし、シングルマザーでさえ信じられない。私の母のことをあげると、男を見る目がなく無責任に子どもを産んで結局、離婚して子どもが不幸になる。ちゃんと先を考えられないのか、考えてないのか、そして虐待の連鎖。貧困は心まで蝕む。女だけじゃない。男も最低‼️アルコール依存、ギャンブル依存。ケースワーカーにのぞむことは、こういう人たちを放置しないで治療してほしい。きちんと向き合って病院と連携とってほしいと思う。
受け持ち100人以上なんて対処できるわけいし、区役所、暇な科もあるというのに、、、。
ケースワーカーさん質問。
パチンコはギャンブルで依存性の人がほとんどだと思うのですが、、、
使ってしまうところが病気で生活がなりたたなくなってるから受給者になってるのかと思う。
このあたり依存性をなおさないなぎり、当たり前だとおもう言葉を並びたてても仕方がない。
ケースワーカーという方の仕事の範囲ではないのかもしれないけれど、どのように考えてるのか知りたいです。
コメントありがとうございます。
私がいる市では少なくとも私が来てからは、ギャンブルでお金を使い込んで生活が成り立たないというような事例が発生していないので、ギャンブル依存症になった場合の具体的な対処法は提示できません。
ただアルコール依存症の方むけの入院治療やAA(アルコホーリクス・アノニマス)のようなものがギャンブル依存症においてもあれば、そうしたものをご案内することになるとは思います。
不正してなくてなぜか一万近く減った。
見直しって減っても五千円ぐらいかなって思ってたからびびった。物価やすくなってるわけどもないのに
節約っていうよりお金使わない暮らしや貧乏になれてるから、娯楽費が減った程度で
暮らしてはいけてるからいいけど。。。
健康で文化的ってなんなんだろうって思う。。。
最低限だけになっていってる感を感じる。
減額繰り返されて行くと流石に精神的に国に不信感出そう。
ないならないなりに食わずに暮らすだけですが。。。
社会復帰した時に普通の人との暮らしのギャップでいじめられそうで不安になってくる
当たり前ってものを武器に一般の人ほどいじめするんですよね
子供の時特にそうでした
流行っているゲームしてないだけで仲間はずれ
いわゆる当たり前って言われる部分が文化的に当たる費用なんじゃないかなって思います
減額が続けば、インターネットの利用が苦しくなります
表現の自由が奪われてしまっている受給者ももう出ているんじゃないかなって感じます。
貧乏になれてないなら通信費実際出せてないですもん。
うまく暮らせる人基準や、無理が可能な人基準の減額処置が続かないかが心配になります。
悪いことしてないのに減額一万近く食らったのは悲しかったです。。。
自由度が一万下がると流石に下がる。家電が壊れたら買い直しとかがガチで心配。
僕の住んでるアパートの隣の人は保護を受けて生活していますが、週4日くらい飲んで帰って来ますそんな余裕がある程貰えるんですかね?
それと、一人暮らしって大家さんに言っていますが二人で住んでます!宜しいのでしょうか?
コメントありがとうございます。
>週4日くらい飲んで帰って来ますそんな余裕がある程貰えるんですかね?
最低生活費と支出は世帯ごとによって大きく異なるので、こればっかりは「わからない」としか言いようがありません。
>一人暮らしって大家さんに言っていますが二人で住んでます!宜しいのでしょうか?
その話については生活保護制度上の話と民事上の話との2つに分けて考える必要があります。
まず生活保護制度上の話についてですが、その物件が生活保護の住宅扶助の基準以上の㎡数の物件で、かつ家賃も基準額以内であれば生活保護法上は問題ないと思います。
しかし民事上の話についてはあくまで賃貸人と賃借人の私人間の契約の話であり、行政はそれについて良い悪いは口出しできません。しかし大家側に現状を伝えた方が良いという助言は与えると思います。
知ってる生活保護受給者を告発しようと思ってます。
正直、真面目に働いている自分がバカバカしく思えてくるので。
その方は、生活保護受給者だと堂々と公言しています。
二人の子供がいます。
事実婚の相手がいます。
フリーランスでネット上の仕事をしていて収入があります。(無申告で事実婚の相手から口座を借りて現金化しています。)
事実婚の相手の車を乗り回しています。
今年中に100万円以上の貯金をすると豪語しています。(事実婚の相手と一緒になって)
このような事が数年間も続いています。
このような事実があると告発があっても市は生温い対応しかしませんでしょうか?
もし、そのような事があるとするならば…
それは職務怠慢と言わざるを得ないと思うのですが管理人様はどう思われますか?
立場などはさておき、率直なご意見を伺いたい。
よろしくお願いします。
コメントありがとうございます。
その事実婚しているという方は同居しているのでしょうか?同居しているのであれば年に1回税情報や資産申告により遅かれ早かれその収入が判明するのではないかと思います。
またよく「〇〇は福祉事務所に隠れて収入を得ている!」といった通報はありますが、実際はその内容は福祉事務所に申告済ということもしばしばあります。
しかし住まいが別となるとそうした事実を見抜くのは難しいと思います。なぜなら住まいを別としている人、つまりそもそも生活保護を受給していない人の収入、金融機関の情報を調べる権限は福祉事務所にはないからです。
もし福祉事務所にそうした事実について連絡を入れるというのであれば、具体的な情報を伝えたほうがいいと思います。「あいつには女がいて収入もその女名義でもらってる!」だけですと調べようがないので。
その女性の名前、住所、生年月日、車の車種、駐車場の場所、その男性がフリーランスで仕事をしているのであればどういった媒体でどういった仕事内容をしているのか、そうした具体的な事実の提示が必要になってきます。
また記事内にもあります通り、その人が生活保護を受給しているか、また具体的な調査を行うかどうかは教えてくれないと思うので、その辺りは了承した上での通報になるのは理解しておいてください。