「生活保護受給者はパソコン所持禁止」って本当なの?

2023年11月15日

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お疲れ様です、ローンウルフです。

先日たまたまツイッターの中でこんなつぶやきを見かけました。



 

このツイートの中で、「生活保護者はパソコン所持も禁止」との記載がありました。ですが本当に生活保護受給者はパソコンの所持が禁止されているのでしょうか?現役のケースワーカーである私ローンウルフがお答えします。

生活保護受給者のパソコン所持は禁止されていません!

結論から言うと、生活保護受給者のパソコンの所持は禁止されていません。生活保護法や厚生労働省の通知などでもパソコンの所持を禁止しているものはありません。今の時代パソコンは贅沢品ではなく、所持が禁止されている資産としてはみなされていません。

のみならず、スマートフォンや携帯電話についても所持は認められています。ケースワーカー的にも携帯電話を持っていたほうが本人とも連絡がつきやすいので、そういう意味では自宅の電話よりは便利だなと思います。

と、ここで話を終わらせるのは簡単ですが、もう少し話を掘り下げたいと思います。そもそもこのツイートをした人はなぜ生活保護受給者はパソコン所持も禁止との誤解をしていたのでしょうか?

就職活動に使ったパソコンの購入費が自治体への返還金から免除されるかについて裁判で争われたことがある

実は昨年(2017年)、生活保護に関する裁判でこのような判決がありました。

朝日新聞デジタル
 
「PCは人から借りられる」生活保護費の返還命じる判決:朝日新聞デジタル
https://www.asahi.com/articles/ASKCW62D3KCWUTIL05H.html
 生活保護受給者のパソコン購入費は「自立更生の出費」と言えるのか――。自治体による生活保護費の返還請求をめぐる訴訟で、東京地裁は「パソコンは知人に借りることができる」として、自立更生の費用とは認めない…

 

生活保護を受給している方は仕事をして収入を得た場合、その収入について福祉事務所に申告する義務があります(生活保護法第六一条)。その申告に基づき、その収入金額から一定の控除を差し引いた金額を生活保護費から差し引くということになっています。

この裁判の原告はその収入の申告の義務を怠り、後になって原告に就労収入があることが判明したため、働いて得た収入から控除を差し引いて残った金額を市へ返還することとなりました。

この自治体への保護費の返還に際して、実は自立更生のために出費したものがあれば、その出費分の金額の返還を免除できるのです。ちなみに不正受給にはこうした免除の制度はありません。

ただし自立更生のための費用がなんでもかんでも返還金から免除されるわけではありません。今回の裁判では原告が求職活動時に購入したパソコンの購入費用が、この「自立更生のために出費した費用」に該当するかが争われました。

判決においては、「パソコンは知人等から借りられる」として自立更生免除を認めませんでした。

「知人から借りればいい」という部分だけクローズアップされてしまっていますが、仕事を探すだけであれば友人宅でパソコンを使わせてもらうだけでなく、漫画喫茶でパソコンを使用する、ハローワークや図書館等でパソコンを使うなど他にも手段はあったわけです。

とにかく収入があったら速やかに福祉事務所に申告しましょう!

こうした裁判があったことから、このツイッターの書き込みのような誤解を生じていたのではないかと推察されます(あくまで推察ですが)。やはり生活保護制度については感情をあおるような記事も多く、正確な情報が伝わっていないような事柄が多いですね。

ケースワーカーの視点から言わせてもらうと、遅かれ早かれ隠れて得ている収入があればほぼバレます。怪しいことがないか我々ケースワーカーは目を光らせています。私が扱っている案件の中にも数年前の収入について調査しているものもあります。

きちんと申告をしてくれれば、給与収入に関しては一定の控除を適用することができます。とにかく黙っていてもいいことは1つもありません。生活保護を受給されている方はとにかく収入があったらきちんと福祉事務所に申告をしましょう!

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