実態を知らない人間が書いた『「一生賃貸派」の残酷な末路』という記事に反論する

2023年11月15日

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お疲れ様です、ローンウルフです。

先日インターネット上でこのような記事を見かけました。

 

この記事の内容を一言で言うと、「高齢者になると賃貸物件を借りるのが極めて難しくなるから持ち家を買おう!」というものです。しかし記事の内容をよく読んでいくと、実態もよく知らずに記事を書き上げているのがよくわかります。以下記事の内容についてひとつひとつ反論していきたいと思います。

東京23区内に住むことが前提になっている記事内容

単身高齢者は一人親世帯より、生活保護受給者並みに嫌われている。年代別審査状況の結果を見ても、年齢が高くなるほど入居審査を通りにくくなっていることが窺える。

なぜそうなるのか。

直接的理由としては、リタイア世代は現役世代に比べて年収が低いということがある。家賃保証会社は一定以上の収入がある人に対してはおおらかだが、所得が低い人に対してはきわめてシビアなのだ。

 

高齢者が賃貸物件を借りるのが難しくなるというのは確かに実態としてあると思います。ですが記事にあるように、保証会社を利用していくつも物件をあたれば、高齢者にも貸してくれる物件は実際にあります。実際に私は何十回も目の当たりにしました。

そもそも今後の日本においてはさらなる超高齢社会がやってきます。高齢者の存在を無視して賃貸住宅のビジネスを展開していくのは、非常に厳しくなっていくと思います。必然的に高齢者を相手として貸していく環境に社会が変わっていくのです。

 

現状で保証人が立てられない人へのセーフティネットとなっているのが、UR(独立行政法人都市再生機構)の賃貸住宅である。

URは民間と異なり国籍不問、職業不問で入居させてくれる。保証人、礼金、仲介手数料、更新料の「4つの『なし』」を売り物にしており、入居審査も比較的緩い。

誰でも入りやすい分、URには低収入の住民が多い。外国人や夜に働いている人も多く、治安や住環境はよいとは言えない。

 

傾向として、低収入の住民が多い地域は治安が悪いというのはあるのかもしれません。しかしいざ入居してみて、どうしてもそこの環境になじめなかった場合、賃貸の場合は引っ越しをすることができます。

しかしローンを組んでいざ物件を購入した場合、あなたが購入した物件のお隣さんが問題のある世帯だったとしても、そう簡単に引っ越すことはできません。自宅の売却や新たな物件の購入は簡単にできませんし、余計な手間と莫大な手数料がかかってしまいます。不動産を購入した場合、そうしたリスクを負うことになってしまうのです。

 

生活保護受給者を対象とした賃貸物件もある。

生活保護受給者には一定額の家賃分の住宅扶助が支給される。扶助の金額は地域や世帯の人数により異なり、東京23区の単身世帯であれば、4万900~5万3700円となっている。

これは毎月、自治体から振り込まれるので、その直後に家賃の自動振替を行うよう設定しておけば、家賃の取りはぐれがない。そうした賃貸住宅では生活保護を受けている人を優先的に入居させている。

ただしそうした物件も住居としてはプアなアパートである。家賃が住宅扶助の上限を下回ることが前提となるからだ。現役時代にそれなりの収入を得ていた人にとっては、住環境が大きくグレードダウンすることになる。

 

この記事を書いた人は、おそらく都心や都心近くの居住環境を想定していると思われます。確かに都心付近になると53,700円(管理費等除く)ではあまりよい物件に住むことはできないと思います。しかし23区を離れて東京都の市部や横浜市、川崎市まで行けば、53,700円以内であれば比較的良好な物件は借りることが出来ます。

実際私はケースワーカーとして生活保護受給者のお宅を訪問して回っていますが、今私が住んでいる物件と遜色ないところに住んでいる人が多いです。まぁ私が今住んでいる物件の家賃が安すぎるだけという話かもしれませんが(笑)

 

単身者が高齢で要介護状態となった場合は、一人暮らしは無理になるので、介護施設に入居することになる。

コストパフォーマンスが高いのは特別養護老人ホーム(特養)だが、それだけに非常に競争率が高く、普通はまず、すぐには入れない。

 

確かに23区内においては、特別養護老人ホームは入居待ちが多く、すぐに入居することは非常に難しいです。

しかし首都圏内であっても郊外であればあまり待たずに入居できるところは数多くあります。実際生活保護業務を行っていく中で、ほとんど待たずして都内や近隣県の郊外の特別養護老人ホームへ入居できたことは何度もありました。要は場所を選ばなければ特別養護老人ホームはすぐにでも入れるところはあるのです。

この記事を書いた人の話の前提となっているのが、いずれも23区内に住むということです。確かに23区内であればこの記事の内容の通り、高齢になってから賃貸物件を借りるのは難易度が上がるかもしれません。しかし23区外であればこうした問題を解決できることがほとんどなのです。

不動産の購入へバイアスのかかった記事内容

この記事の最後はこう締めくくられています。

結局、高齢になって持ち家がないと、まともなところには住めないということだ。

 

なぜこの記事を書いた人は実態とは違う状況を書き、恐怖心で不動産購入を煽るようなことをしているのでしょうか?

それはこの記事の最初に書いてある、記事の投稿者の紹介文を見ればわかります。

 

持ち家か? 賃貸か? 住まいは一生を左右する買い物だけに、選択に迷う人も多いだろう。そんな中、「マンション購入は早いほど得をする!」と断言する人がいる。会員数23万人を超える分譲マンション価格情報サイト「住まいサーフィン」を運営、『独身こそ自宅マンションを買いなさい』などの著書もある沖有人氏だ。

 

そう、この記事を書いた人は分譲マンションのサイトを運営している会社の代表取締役だったのです!

自らが分譲マンションのサイトを運営しているわけですから、当然ながら賃貸か購入かについての記事を書くとなると、自らの立場に有利になるように記事にバイアスがかかることになります。ですからこうした実態とは異なった記事内容を投稿することになったのだと思います。

こうしたバイアスのかかった記事まどわされないためにも、記事を読む際には「誰が書いたか?」を意識して読むのも大切であると私ローンウルフは考えています。

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