不動産の賃貸契約時の連帯保証契約が変わります!

2023年11月15日

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お疲れ様です、ローンウルフです。

3月は大学への入学や就職が決まり、アパートやマンションの不動産の賃貸契約を結ぶ人が多い時期だと思います。その契約の時に問題となるのが、保証人の問題です。

最近では保証料を払って保証会社を利用する事例も多くなりましたが、まだ契約時に連帯保証人を立てることを求められるケースは多いと思います。

しかしこの不動産賃貸契約時の連帯保証について、2020年4月に行われる民法改正の影響で変わります。一体どのように変わっていくのでしょうか?

保証契約と連帯保証契約の違い

法改正の影響について話す前に、そもそもの民法上の保証契約について説明したいと思います。

他人の債務を保証した場合、その者が債務を弁済できない時に、保証人が代わりにその債務の弁済をする責任を負うものを保証債務と言います(民法第446条第1項)。

これはどういうことかというと、例えば不動産の大家さんと借主とで不動産の賃貸契約を結びます。この契約とは別に、大家さんと保証人の間で保証契約を結びます。

この賃貸契約について、借主が大家に家賃を支払わなかった時、大家から滞納している家賃の請求が保証人に対してきた場合、保証人はその請求に従わなければならないという契約が保証契約です。

しかし保証人は債権者からの請求に対して、様々な権利を主張することができます。そのうち、保証契約にはあって、連帯保証契約にはない権利が2つあります。

1つ目の権利として、主たる債務者への債務を債権者が保証人に対して請求してきた場合に、まず主たる債務者に対して請求せよと主張することができます。これを「催告の抗弁」といいます(民法第452条)。

先ほどの例で言うと、家賃の滞納分について、大家さんから保証人に請求があった場合、まずは借主に対して請求せよと主張するができるのです。

2つ目の権利として、その後債権者(大家)が保証人に強制執行をしてきた場合、主たる債務者(借主)が債務の弁済が可能であり、かつ、執行が容易であることを証明したときはこの請求を免れることができます。これを「検索の抗弁」といいます(民法第453条)。

しかし連帯保証人については、以上の2つについての権利を有していません(民法454条)。つまり連帯保証人は、大家から家賃の滞納分の請求があった場合、まずは家の借主に請求しろと主張することはできず、また借主に家賃を返すだけの資産があると証明した場合でも、滞納分の家賃の請求に応じなければならないのです。

実際の不動産賃貸契約の現場では、通常の保証契約を結ぶことはほとんど無く、連帯保証契約を結ぶことになるのがほとんどです。

連帯保証の契約を結んだ場合、その保証する金額は未確定であり、かなりの金額の請求を受けることも想定され、不動産の賃貸契約を結ぶ上で保証人になることを躊躇させるハードルになっていると思います。

2020年4月の民法改正により変わる連帯保証契約

しかし2020年4月の民法改正により、そうした不確定要素が解決されることになります。今後はこの連帯保証の債務について、契約時に限度額(極度額)を定めて、その限度額の範囲内でしか連帯保証債務を負わなくてよいことになりました。

この改正により、連帯保証人が連帯保証契約で支払いを請求された時に、いくらの金額を支払わなければいけないのか不確定であるという状態からは解放されることとなりました。

また、保証人から債権者(大家)に対して、借主がちゃんと賃料を支払っているか、滞納がある場合は金額がいくらになっているかなど、債務に関する情報の提供を求めることが可能となり、その求めに債権者(大家)は応じなくてはならないことになりました。

基本的にはポジティブな改正内容

賃貸契約時においてプラスの側面があるからこのような法改正がなされたのであろうと思いますし、ポジティブにとらえていい内容だとは思います。

しかし実際に支払わなくてはいけないかもしれない金額を目の当たりにしたときに、かえって保証人になるのを拒んでしまう事例が出てこないかなという一抹の不安もあります。

例えば毎月の家賃が10万円の賃貸契約の場合に、連帯保証人が負うべき連帯保証の限度額が家賃の12か月分とした場合、最大120万円の請求を受ける可能性があります。

他人のせいで120万円もの大金の請求を受ける可能性があるわけです。これまでもこれぐらいの金額の請求を受ける可能性はありましたが、いざこうして金額を見せられた場合に、連帯保証人になることを躊躇してしまう可能性もなくはないのかなと思います。

しかし人間は不確定な部分に恐怖を感じるものです。今回のように、限度額が明示されることにより、最悪のパターンをあらかじめ想定できるのはやはりプラスなのではないかと思います。

日本においては特にお年寄りが不動産の賃貸契約を結ぶのが難しい事例がありますが、今回の法改正により、高齢者が円滑に不動産契約が結べるための助けに少しでもなればいいなと私ローンウルフは考えています。

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