ピラミッディングは短期投資でこそ活きるテクニックだ

2023年11月15日

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お疲れ様です、ローンウルフです。

投資テクニックの1つに、ピラミッティングというものがあります。ちょっと前にこのピラミッティングの投資手法が話題となりました。

このピラミッティングという投資手法は通常短期投資に使われるものなのですが、この投資手法が話題になった時はなぜか中長期投資が想定されており、利用方法も本来のピラミッティングとはかけ離れた利用方法が提示されていました。

そこで今回の記事では、ピラミッティング本来の正しい利用方法について解説していきたいと思います。

著名トレーダーたちが用いたピラミッティング

ピラミッティングとは主に短期投資に用いられる手法であり、価格の推移をみながらその方向に少しずつポジションを建てていく取引手法をいいます。

ピラミッティングは有名なトレーダーたちに用いられました。

ジェシー・リバモア、cis、タートルズetc…

これらの投資家に共通するのは何でしょうか?そう、いずれも短期投資で成功した人たちということです。彼らの投資期間は最短でその日のうちに、長くても数か月程度です。

冒頭で述べたように、ピラミッティングは長期投資で利用する手法ではなく、短期投資において利用されるものなのです。長期投資で利用した場合、単なる高値掴みになりかねません。

またピラミッティングにおいては、あくまで価格の推移のみを見て投資判断を下します。営業CFだのファンダメンタルズ的なものは考慮しません。また「買い」だけでなく「売り」においても行われます。

リバモア流ピラミッティング

とここで具体的に、リバモア流のピラミッティングについてみていきましょう。

リバモアは最初の取引をする前に、どの銘柄にいくら投資するか事前に決めていました

例えばある銘柄を1000株購入するとします。その銘柄のピボタル・ポイント、つまり相場の転換点を見出した時、まず彼が行うことは打診買いです。先行して200株の購入を行います。

この「打診買い」がリバモア流のピラミッティングの肝です。1回目の取引を実行したら、自分の判断が正しいと確認されるまで彼は動きません。

そしてその株が予想通り上がって利益が得られたら、さらに200株の買い増しを行います。なお値上がりが続くと確認されたら、もう1度200株を買い増しします。

そして彼はここから様子を見ます。その後さらに値を上げたり、反落の後に再度上昇基調に乗った場合、彼は最後の400株を購入します。

このようにあくまで価格の推移だけを見て徐々にポジションを積み増し、事前に決めていた銘柄数を建てる。これがリバモア流のピラミッティングなのです。

なおリバモアのピラミッティングについてもう少し詳しく知りたい方は「世紀の相場師 ジェシー・リバモア」をご覧になってみてください。

タートル流のピラミッティングもありますが、リバモアのものより複雑であり、紹介するとなるとかなりの長文となるため割愛させていただきます。

長期投資では逆張りを推奨したcis氏

またcis氏は著書の中で「上がり続ける株は上がり 下がり続ける株は下がる」と述べましたが、これもあくまで短期投資でのお話です。

そもそもcis氏は基本的に長期投資ではなく短期投資を主体としているため、そもそもこの「上がり続ける株は上がり下がり続ける株は下がる」という言葉は長期投資に用いられているものではなかったのです。

cis氏は長期投資について、著書「一人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学」の中でこのように述べています。

逆に、好況時は買わないほうがいい。景気は循環するから、全体の株価が上がってきて、週刊誌に特集が組まれ、アナリストが勧めているようなときには、伸び代がなくなっている可能性が高い

 

反対に不況時の赤字会社への長期投資について「やってみてもいいかもしれない」として、こう述べました。

ITバブル崩壊後やリーマンショックなどが起きたときには、証券会社のアナリストは「今は業績が悪いので売りです」などと言いがち。そういうときに売るのではなく買っていれば儲かっていた。

 

cis氏は短期投資におけるピラミッティング的思考とは反対に、長期投資においてはむしろ逆張りの発想が求められるとしていたのです。

原典を読むことの大切さ

自説を補強するため、成功した投資家の言葉やテクニックを引用する人は多いです(私もその1人ではありますが)。

ですが自らの主張の正当性を主張したいがあまり、意識的なものか無意識的なものか問わず解釈を誤るどころか真逆にとらえてしまう人も中にはいるのです。

自信満々に情報発信する人の情報は一見正しいように見えますが、本当に正しいのかは一度自分の頭でよく咀嚼する必要があります。

そして本当に正しいのかどうか確かめたいのであれば、彼らが取り上げた著書について直接自分の目で1度目を通してみたほうがいいと思います。そして丹念に著書を読み解いてください。今回のように異なる意味合いで用いられていることに気づくことがあるかもしれません。

そして新しい発見もあるかもしれません。周りの意見に流されずに自分の頭で判断を下す知恵をつけるためにも、こうした投資の原典を直接当たってみてはどうかと私ローンウルフは考えています。

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