ロシアンルーレットには参加するな!~過小評価されるリスクシナリオ~
お疲れ様です、ローンウルフです。
あなたがもし生き残れば1億円がもらえるロシアンルーレットに参加したとします。6つある弾倉のうち、1つに弾が込められます。自らのこめかみに銃身の筒先をあて、引き金を引きます。
カチッ・・・
弾は発射されませんでした。あなたは生き残ったのです。そしておめでとう!見事勝負に打ち勝ったあなたは1億円を受け取ることに成功したのです!
結果的には1億円を得られたが、一歩間違えれば死んでいた
この「1億円を得た」という結果だけ見れば、確かにすごいことかもしれません。しかしそれはあくまで6分の1で弾丸がこめかみを打ち抜くというリスクを負った結果なのです。利益を得たという結果だけを見てしまうと、リスクについて見誤ってしまうことになるのです。
同じ投資成績でも高いリスクを負った結果か低いリスク結果かで意味合いは大きく異なる
翻って投資についての話ですが、投資の世界においてもこうしたロシアンルーレットが行われています。もちろん現実の世界では実際に死ぬことはありませんし、ある程度の損失にとどまることも多いことでしょう。
しかしこのロシアンルーレットのように「1億円を得た」という結果だけに着目してしまうことは、リスクについて見誤ってしまうことになります。この1億円を得たということについて、それが高いリスクを負った結果なのかがどうかがとても重要なのです。
高いリスクを負った結果である1億円であれば、同様の高いリスクを負った取引を皆が一斉に行った場合、1億円を得ることが出来た成功者が一定数存在することになるでしょう。
しかしその反面、高リスク取引により大きな損失を負った人も少なからず出てしまうのです。ロシアンルーレットの場合、6人のうち5人が1億円を手にしますが、1人は確実に死にます。
集中投資という行為は、まさしくこのようなロシアンルーレットに参加するがごとき行為なのです。確かに結果だけを見れば利益を得た者は成功者のように見えると思います。しかしそれはあくまでその裏にある高いリスクを負った結果なのかもしれないのです。
先ほども言った通り、投資の場合は死ぬことはないし、資産のほとんどを失うことにもならないかもしれませんが。
過小評価される「実現しなかった未来」
多くの人はこの「高い利益を得た」という結果だけに着目します。実世界においては、拳銃のような弾倉は見えません。ですので「実現しなかった未来」、つまりリスクシナリオが実現した時の事態を軽視しがちです。
こうした裏にある高いリスクを意識せずに集中投資を勧める人もいますが、集中投資という行為は一歩間違えれば資産に大きな損害を与えかねない取引であるということを決して忘れてはいけません。
また集中投資時の損切は、あなたが想定している以上にメンタルに影響を与えることでしょう。いつか価格が戻るかもと希望的観測を抱いて損切を遅らせたり、今後の投資判断にも影響を与える恐れもあります。損切後も仕事中に損失のことが頭から離れなくなるかもしれません。
これは想像でものを言っているわけではありません。実際に私が商品先物取引をしていた時に感じた感情です。商品先物取引では最終的に税引き前で10倍以上のリターンを得ることに成功しましたが、それでも損切時は強いストレスを感じていたのです。
ですのでロシアンルーレットに参加するがごとき集中投資は「万人には」オススメできる取引とは言えないと私は思うのです。
それでもどうしても短期間でお金持ちになりたい人は止めません。投資に望むものは人それぞれだから
以上のことから、「投資でお金に困らない生活を送るための資産形成を行いたい」という人には集中投資をオススメすることはできません。成功すれば効率よく資産を築けるかもしれませんが、失敗すれば効率よく資産を失うことにもなるからです。
しかしそれでも「投資で一発当ててすぐにでも金持ちになってやる!」という人は集中投資をしてみてもいいのかもしれません。株式投資に望むものは人それぞれでしょうし、私はそうした考え自体までは否定しません。
ですがそのような人たちも、集中投資のその裏にはあなたが思う以上に高いリスクが潜んでいることを忘れてはいけないと私ローンウルフは考えています。