投資判断に感情は持ち込むな
お疲れ様です、ローンウルフです。
株式投資をしている皆さんは、利益を上げて資産を形成するために投資をしていると思います。当然ながら私もそうです。
そして投資によって利益を上げた場合、幸福な感情が湧き出てくると思います。利益を得られれば嬉しいというのは人間の自然な感情だと思います。
中にはそもそも投資をする目的の一つに、投資で成功した時に得られる快楽を目的として投資をしている人もいるようです。
しかし投資の世界においては、感情は合理的な判断をゆがませるものであり、可能な限り排除すべきです。
快楽の裏返しとして不快な感情が発生する
投資によって快楽を得ようとしている人が利益を積み重ねていった場合、
「これじゃあ足らない・・・もっとだ・・・もっと・・・!!!」
と言わんばかりに、それまで得た利益にとどまらずもっと利益が増えてほしくなってくると思います。投資の成功によって快楽を得たいと考えている人は、他の人よりそうした思いが強くなることでしょう。
そしてこれまで上手くいったのだからこれからもうまくいくだろうとの前提が生まれ、もっと儲けたいという感情から、これまでよりもリスクをとった運用に傾きやすくなります。
このように投資判断に感情を加えてしまうと、こうした心理的なサイクルが発生して過剰なリスクを負うようになってしまうのです。
投資判断に感情を加えた場合、利益を出した場合には快楽を得られるのかもしれませんが、その反対に損失を負った場合には不快な感情が湧き起こることになります。
利益を得ることを投資の目的の1つとして投資をしているのですから、それを得られない場合にはその裏返しとして特に強い不快な感情が生まれることでしょう。
投資の分野に心理学を持ち込んだ行動ファイナンスの理論によれば、例えば同じ1万円でも利益を得た場合以上に、損失を負った場合のほうが感情の振れが大きいと言われています。「損失回避」と言われる現象です。
そしてそうした強い不快な感情は、投資判断にも影響を与えます。
保有している株式が大きく値下がりした場合、損失を確定してしまうと自らの「負け」を認めることにもなります。負けを認めることは、投資の成功によって快楽を得ようとしていた人間にとっては大きな苦痛となります。
そのため多くの場合、
「短期間でこれだけ急な値下がりが起きたのだからそのうち値を戻すだろう。だから損切ラインは超えてしまったけど、しばらくは様子を見て反発局面が来たらその時に売却しよう」
などと考え、元々策定していた損切ルールを自分に都合よく捻じ曲げ、損失の確定を先延ばしにしてしまうのです。
しかしこれ以上の損失はもう耐えられないという所まで来た時になってようやく株式を手放すことになるのです。しかしこのように狼狽して手放したタイミングが底値である時が往々にしてあるのです。
感情を排して淡々と取引をしよう
マーク・ダグラスはその著書「ゾーン 相場心理学入門」において、投資で成功するためには、感情を排して淡々と取引を行うことが成功の秘訣であると述べました。
この本は短期トレーダー向けに書かれた本ではあるものの、長期投資においてもこうした考えは非常に参考にすべきではないでしょうか?
そうはいっても利益や損失から感情を切り離すことはなかなか難しいと思います。いろいろ言っている私自身も感情の影響から逃れるためにかなり苦しみました。
そんな中で思いついたのが、今私が行っている毎月のETFの買付、3か月に1回の個別銘柄の買付という機械的な買付ルールです。機械的に買付を行っているわけですから、そこに感情が挟む余地はかなり限られてきます。
相場の上下に感情を揺さぶられないためにも、皆さんもこうした機械的なルールに沿って売買を行ってみてはどうかと私ローンウルフは考えています。