中央銀行はモラルハザードを起こした強欲な零細投資家を救う必要はない

2023年11月15日

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お疲れ様です、ローンウルフです。

アメリカ株投資において、レバレッジをかけた取引がブームとなっています。こうしたレバレッジをかけた取引というものは、上昇相場が続けばとても高いリターンを得られます。しかし反対に相場が大きく下落する局面が続くと価格は加速度的に減っていきます。

自分のような保守的な投資家から見れば、事実上の借金を背負ったハイリスクな投資対象をみんなが喜んで買っているような局面で買うのは、とても大きなリスクをはらんだ行為だと思っています。

しかし投資している本人たちはどうもそうした株価の下落局面についてはあまり心配していないようです。なぜあまり心配していないかと言えば、株価の暴落が起きた場合に中央銀行が助けてくれるだろうという目論見があるようです。

しかし私としては、中央銀行は過度なリスクを取っておきながら、何かあった時には中央銀行に助けてもらおうというモラルハザードを起こした強欲な零細投資家たちを救う必要は全くないと考えています。

大きすぎて潰せなかった金融機関

確かにこれまで中央銀行は金融危機が起きた際に、公的資金を投じて金融機関を救ってきました。リーマンショックの際は莫大な公的資金が金融機関につぎ込まれ、リーマンブラザーズ以外の大手金融機関はなんとか破綻の憂き目を逃れることが出来ました。

しかし多額の報酬目当てに高いリスクをはらんだ投資を行っていた金融機関には国民から非難が殺到し、その強欲ぶりが糾弾されました。その批判は資本主義の意義すら問われるほどのものでした。

そんな自業自得とも言える金融機関を中央銀行であるFRBはなぜ救ったのでしょうか?それはこれらの大手金融機関が破綻してしまった場合に、社会に与える影響が甚大だったからです。当時よく聞かれた「Too big to fail」(大きすぎて潰せない)というやつです。

モラルハザードを起こした一部の個人投資家たち

しかるに今流行しているレバレッジをかけた取引に置き換えて考えると、なぜ国が過度なリスクを取っている投資家たちの尻拭いをする必要があるのでしょうか?

そもそも中央銀行が救ってくれるだろうとの目論見で過度なリスクを負った投資をするということ自体が、完全にモラルハザードを引き起こしています。

こんな欲深な零細投資家たちが大損したところで社会にはほとんど影響は与えないと思うので、中央銀行は彼らを救う必要は1ミリもないです。

投資は自己責任、こんな簡単な事すら忘れてしまった投資家は退場してもらったほうが健全な資本市場が形成できるでしょう。本当によく恥ずかしげもなくあんなことが言えるなと心から思います。

スタグフレーション下では中央銀行は救ってくれない

しかし幸いなことに、これまで中央銀行が行ってきた救済策は金融緩和であり、デフレ経済の発生を前提にしたものです。

今のようなインフレ懸念が高まっている時にとる中央銀行の金融政策は、金融緩和どころか金融引き締めが行われるのです。

思い返していただきたいのは、アメリカの中央銀行が法的(連邦準備法)に求められている役割です。それは「物価の安定」と 「最大雇用」です。株価対策は目的に含まれていません。

もちろん株価を考慮はするのでしょうが、あくまで中心は物価の安定と最大雇用であって、これらを犠牲にしてまで株価対策をすることはないと思います。スタグフレーション下では中央銀行が救ってくれるどころか、株価の下落のきっかけを作ることになるのです(少なくとも短期的には)。

株価が下落すると年金に影響するから株価対策をするだろうとの考えを持つ人もいるようですが、年金生活者にとってインフレの影響のほうが目に見える形で負担となるわけですから、票が欲しい政治家たちはインフレ退治のほうへより働きかけるでしょう。

実際に今のバイデン政権下においても高いインフレ率に気をもんでおり、FRBのパウエル議長が再任する際もインフレ対策の重要性を強調し、実際に再任の翌月にFRBはテーパリングの加速化を決定しました。

 

FRBは過度なリスクを負った強欲な投資家のことは気にせずに、粛々と非投資家にも影響の大きいインフレ対策を行っていくべきであると私ローンウルフは考えています。

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