マイナンバーのせいで女性会社員のキャバクラの副業が会社にばれるって本当?

2023年11月15日

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マイナンバー制度が出来た当初、インターネットのニュースなどで「マイナンバーのせいでキャバクラを副業としている女性会社員の副業がバレてしまう。マイナンバー不況だ!」なんていう記事がいくつか出回りました。これらの情報は本当に正しいのでしょうか?元実務担当者が解説します。

記事例
http://toyokeizai.net/articles/-/86111

税関係におけるマイナンバーは正直者がバカを見ないための制度

結論から言うと、これらの情報の多くが間違っています。

そもそもマイナンバー制度ができる以前から、お店側は税務署に対して「支払調書(法定調書)」といって、だれに対して「報酬」等をいくら支払ったかということが書かれた書類を税務署に提出する必要があります。マイナンバー制度ができたことによる変更点というのは、この「支払調書」にマイナンバーが載るようになったというだけなのです。

税務署は「支払調書」に記載された住所や名前などの情報を元に申告漏れがないかどうか調査をするわけですが、マイナンバーが記載されることにより申告漏れの調査がしやすくなります。マイナンバーから住所や名前などの情報を引っ張ったり、元々持っている情報と突合しやすくなるからです。

一方、報酬をもらった人は原則確定申告が必要となります(給与以外の「報酬」部分の所得が20万円を超える人。20万円以下の場合は住民税の申告が必要)。これはマイナンバー制度が始まる前も始まった後も変わりはありません。

きちんと申告をしていなかった場合、税務署やお住まいの自治体から副業分の収入に対しての「お尋ね」文書が届くことになります。これにより新たに確定申告、修正申告をする必要が出てくることになります。

言ってしまえば、マイナンバーができて困る人たちというのは勤め先の会社以外にもキャバクラ等の副業分の収入があるにもかかわらず、確定申告をせずに課税を逃れていた(逃れようとしていた)人たち、ということになるのです。正直者がバカを見ないように制度が変わったというだけの話なのです。参考に挙げた記事を書いた人は脱税や申告漏れが横行したほうが良いとでも言いたいのでしょうか?

そもそもきちんと手続きすれば会社バレは防げる!

では会社にバレずに副業としてキャバクラに勤め続けるというのはできるのでしょうか?これは以前の記事でも紹介しましたが、副業が会社にばれるかどうかというのは主に住民税の通知によります。

キャバクラでの収入はほとんどのケースが「報酬」です。報酬というのは税法上の収入の種類でいうと「雑所得」にあたり、給与とは異なる所得です。とはいえもしかしたら給与として処理されてるケースもあるかもしれないので、必ず確認はしてくださいね。

雑所得であれば給与とは別にして住民税を納めることが出来るため、キャバクラの副業分の住民税の納付書を自宅へ送る(これを普通徴収と言います)ことが選択でき、会社に副業分を含んだ通知が届かないようにすることが出来ます。きちんと確定申告をして雑所得分の住民税の徴収方法を普通徴収にすれば会社にバレないのです(詳しい方法は過去の記事をご確認ください)。これはマイナンバー制度ができる以前から変わっていません。

ちなみに「報酬」は基本的にすでに所得税が源泉徴収されているため(100万円以下は支払金額の10.21%、100万円超は(支払金額-100万円)×20.42%+102,100円)、所得が一定金額以下の人は確定申告をすることにより所得税が還付されます。住民税は源泉徴収されていないので、普通徴収を選択した場合は6月に自宅宛てに納付書が届くことになります。


インターネットというのは実に多くの情報が飛び交っていますが、虚実入り混じった情報も混じっています。雑誌社のサイトですらこの状態ですから、複数の情報源を照らし合わせた上できちんと事実を見極めることが大事ですね。

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