シーゲル教授=高配当株の配当再投資というのは少し誤解があると思う
お疲れ様です、ローンウルフです。
米国株投資家の中では、ジェレミー・シーゲルことシーゲル教授=高配当株の配当再投資というイメージがあると思います。それはそれで間違ってはいないと思いますが、私は少し違和感を感じています。
高配当戦略はあくまで4つある戦略のうちの1つ
すでにシーゲル教授の「株式投資の未来」をご覧になっている方はご存知だと思いますが、シーゲル教授は推奨する株式ポートフォリオとして、以下のような株式ポートフォリオを示しました。
〇 ワールドインデックスファンド:50%
うち 米国株 30%
非米国株 20%〇 リターン補完戦略:50%
・高配当戦略
配当利回り上位20%
ダウ10種、S&P10種、ダウ・コア10種、S&P コア10種
REIT
・グローバル戦略
S&Pグローバル100
ダウ・ジョーンズ・グローバル・タイタンズ
多国籍企業への分散投資
・セクター戦略
石油および天然資源
医薬品
有名ブランドの生活必需品
・バリュー投資
低PER
生き残り上位
バークシャーハザウェイ
そう、この内容が示す通り、高配当戦略はあくまでリターン補完戦略(インデックス運用を上回るリターンを狙った投資)の一つなのです。確かに「株式投資の未来」の中では高配当戦略とその配当再投資に大きくページを割いており、この本の中心的な議題にはなっていると思います。
しかしここで示した通り、高配当戦略はあくまで4つあるリターン補完戦略のうちの1つなのです。私も高配当戦略は超過リターンを得るための有力な選択肢の一つであると考えていますが、この1つの戦略のみを採用してしまうとどうしてもボラティリティが大きくなってしまうと思います。
出来れば複数の戦略の採用を
ボラティリティを抑えるためにはこの中の1つの戦略だけを採用するのではなく他の戦略も採用する、またインデックス投資と組み合わせる等の工夫が必要になってくると思います。でないと現在のような高配当株が売られる局面になるとリターンが市場平均と比べて劣後する可能性が出てきます。
超長期投資においては短期的なリターンは考慮しなくても問題はありませんが、ボラティリティが低いに越したことはありませんし、また短期的な株価の変動に精神を揺さぶられるという状態をある程度避けることもできます。
繰り返しますが、高配当株の配当再投資戦略は市場平均を上回るための有力な選択肢の一つだと思いますし、それに特化した戦略を取っても問題はないと思います。ですがあくまで4つある戦略の1つであり、それがゆえボラティリティもやや高まってしまうということを念頭に置いた上で投資すべきではないでしょうか。