生活保護受給者に暖房器具の購入費用は出るの?

2023年11月15日

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お疲れ様です、ローンウルフです。

今年の夏から生活保護受給者世帯に、冷房器具(エアコン)の購入費用が出るようになったことが話題になりました。そのことについて、私のブログで全国紙に先駆けて記事にさせてもらいました。

 

夏場の冷房器具の購入費用が出るのであれば、冬場の暖房器具の購入費用は出るのでしょうか?現役のケースワーカーである私ローンウルフが解説したいと思います。

暖房器具の購入費用も出ます!ただし限度額有り

結論から申し上げますと、暖房器具の購入費用も生活保護費から支給することができます。「家具什器費」という名目で支給することとなりますが、無条件に出せるわけではなく、条件に当てはまらなければ支給することはできません。

その条件は厚生労働省の通知によって下記のように定まっています(局長通知第7-2(6))。

(ア) 保護開始時において、最低生活に直接必要な家具什器の持合せがないとき。
(イ) 単身の被保護世帯であり、当該単身者が長期入院・入所後に退院・退所し、新たに単身で居住を始める場合において、最低生活に直接必要な家具什器の持合せがないとき。
(ウ) 災害にあい、災害救助法第4条の救助が行われない場合において、当該地方公共団体等の救護をもってしては、災害により失った最低生活に直接必要な家具什器をまかなうことができないとき。
(エ) 転居の場合であって、新旧住居の設備の相異により、現に所有している最低生活に直接必要な家具什器を使用することができず、最低生活に直接必要な家具什器を補填しなければならない事情が認められるとき。
(オ) 犯罪等により被害を受け、又は同一世帯に属する者から暴力を受け、生命及び身体の安全の確保を図るために新たに借家等に転居する場合において、最低生活に直接必要な家具什器の持合せがないとき。

色々書きましたが、簡単に言うと生活保護の申請時や転居時の転居先に暖房器具がない場合に、暖房器具の購入費用を支給することができるのです。冷房器具の購入時と同じですね。

支給されるといっても購入費用が全額支給されるわけではなく、限度額は2万円です。限度額を超える部分に関しては生活費から支出することになります。また寒冷地に住んでいる等の特別な事情がある場合には、5万円を上限として暖房器具の購入費用が支給されます。購入費用は自動的に出るわけではなく、本人の申請があって初めて支給されます。

購入費用は「冬季加算」の支給開始月から支給可能

購入費用が支給される時期も決まっており、冬季加算の支給開始月に購入費用が支給されます。冬季加算とは、冬の時期に通常の生活扶助費に上乗せして支給される加算のことです。

「冬季」とされる時期は住んでる自治体によって異なりますので、全国一律に何月が冬季と定まっているわけではなく、また金額も住んでる自治体によってバラバラです。なお冷房器具の時と同じく、暖房器具の修理代や買い替えの費用は日々の生活費から捻出することになります。

またエアコンを購入したからといって暖房器具の購入費用が出ないわけではなく、冷房と暖房の購入費用の併給も認められています。


 

夏場のエアコン購入費用が出せるようになったことにより、生活保護受給者が暑さ寒さで困ることはほとんどなくなりました。ただしここは議論がある所だと思います。生活保護を受給していない世帯は冷暖房器具の購入費用が支給されるなんてことはありませんからね。

とはいえ今年の夏のような暑さは命にかかわります。不平等さを感じつつも、まずは命を守ることが先決だといえるのではないでしょうか。

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