見方で印象が変わる時価総額TOP10の推移
お疲れ様です、ローンウルフです。
こちらの2つの表をご覧ください。この表は世界の上場企業の2008年と2018年の時価総額トップ10のランキングです。
この2つの表を見て皆さんはどのように思いましたか?
「2008年と比べて2018年は情報技術・通信サービス系の銘柄が6つも入っている。時代は変わってこれからはハイテクの時代だ!」
ですか?実際そう思う人も多いと思いますし間違ってはいないのかもしれません。ですが私が感じた感想は違います。
私はこのように思いました。
「2018年にTOP10にランク入りした企業が10年後もランク入りしているかどうかはわからないな」
10年間で様変わりした時価総額TOP10
2008年にランク入りしている企業のうち、2018年も残っている企業はマイクロソフトとジョンソンエンドジョンソンの2社だけでした。あとの8社は全てランク外になってしまいました。
2008年の1位のエクソンモービルと2位のペトロチャイナはいずれもエネルギー企業です。今では考えられないかもしれませんが、そのころコモディティ価格は急騰し、原油もその例外ではありませんでした。安い石油が買えることは二度とないのではと思わせるぐらいの原油価格の高騰ぶりでした。
2003年の半ばに30ドルほどであった原油価格は5年間で4倍以上にまで急騰した
しかし今はどうでしょうか?原油価格は当時の最高値から半値以下にまで下落。当時のエネルギー企業の勢いは今では見る影もありません。
翻って2018年のランキングを見てみましょう。
1位のマイクロソフトと2位のアップル、4位のアルファベットはいわゆるハイテクセクターに属する企業です。
いずれもインターネットの世界において強固な基盤を築いており、その土台は揺るがないように見えます。
ですがそれは10年前のエクソンモービルとペトロチャイナも同じでした。当時は2社がこれからも同じような繁栄がこれから先も長く続くのではと思われていたのです。
忘れてはならないのは、今の時点で強固な土台を築いて揺るがないように見えても、それがこれから先も確実に続くわけではないということなのです。
コップの水が半分残っている時の印象は人それぞれ
よく物のたとえでこのような表現が使われることがあります。
コップの中に半分の水が残っています。これを見た時、ある人は「もう半分しか水が残っていない」と言いました。しかしもう1人の人はこのように言いました。
「まだ水が半分も残っている」
同じものを見るのでも、人によって見方が分かれるという比喩です。これは世界の時価総額トップ10の比較においてもいえるのではないでしょうか?
今は疑いようのないように見えることでも、見方を変えることで見える景色が180度変わってしまうこともあるということを頭に入れておいてほしいと私ローンウルフは考えています。