「S&P500のような無駄なセクターだらけのものに投資するのは無知」なのか?
お疲れ様です、ローンウルフです。
アメリカの株式市場の好調さはとどまることを知りません。連日のように過去最高値を更新し、S&P500は8月9日時点で年初来で20%近く上昇しています。
なかでもGAFAMだけで3分の1近くを占めるナスダック市場はS&P500以上に好調で、直近5年間ではS&P500は103.13%の上昇率であったのに対し、ナスダック総合指数は183.51%もの上昇率を示しています(2021年8月9日現在)。
こうしたナスダックの好調さを見て
「S&P500のような儲けてない無駄なセクターだらけのものに投資するのは無知」
と主張する人も出てきました。
しかし私はS&P500に投資することが無知だとは全く思いません。
情報技術セクターは2000年代の負け組セクターだった
そもそもナスダック自身も情報技術セクターのようないわゆるハイテク銘柄だけではなく、ペプシコやコストコといった生活必需品セクターの銘柄も含まれており、大なり小なりすべてのセクターの銘柄が含まれています。
これらの事実を無視してS&P500を無駄なセクターだらけと判断するのであれば、それは自らの無知をさらけ出しているだけです。
また2010年代は非常に好調な成績を残した情報技術セクターでしたが、2000年代はほぼ一貫して市場平均に負け続けてきた負け組セクターでした。
下記の比較チャートをご覧ください。
このチャートはS&P500に連動するETFであるSPYと、情報技術セクターの銘柄に特化したETFであるXLKの1999年末から2009年末までの10年間の価格推移を示したチャートです。赤がSPY、青がXLKです。
ご覧の通り、ほぼ一貫してハイテクセクターに特化したETFであるXLKが市場平均であるS&P500のリターンを下回っています。当時の情報技術セクターは言葉を借りるなら「儲けていない無駄なセクター」だったのです。
しかしその後はご存知の通り、2010年代において情報技術セクターは大きく飛躍を遂げるのです。
直近の成績が悪かったからといって情報技術セクターへの投資を「儲けていない無駄なセクター」として投資先から排除していたら、その後の高いリターンを享受することは出来なかったのです。
その時々で好調なセクターは異なる
あまり深く考えるまでもないことだとは思うんですが、その時々で好調なセクターは違ってきますし、好調なセクターが入れ替わるタイミングを狙い撃ってセクターを乗り換えることは非常に困難を伴いますし、その都度手数料や税金もかかってくるのでコスト的にも非効率です。
しかしS&P500のように時価総額加重平均を採用している指数であれば、好調なセクターは自動的にウェイトが高くなり、売買手数料や税金を発生させずにセクターのローテーションにも対応することが出来るのです。
ですからS&P500のような市場平均に連動する商品に投資をするのは、無知どころかかなりの有力な投資先になると言えるでしょう。
特定のセクターや業種が好成績を上げると他の銘柄への投資が非効率に見える時があるかもしれませんが、その好成績が永続するわけではないということを頭に入れた上で投資判断を下すべきなのではないかと私ローンウルフは考えています。