生活保護費における不正受給の比率は0.39%!だけど・・・

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お疲れ様です、ローンウルフです。

生活保護制度の中で一番よく話題に上がるのが生活保護費の不正受給です。

テレビやインターネット等でのセンセーショナルな情報により、生活保護受給者イコール不正受給やっている人ばっかりというようなイメージがついてしまっているかもしれません。ですが実際のところはどうなのでしょうか?元ケースワーカーである私ローンウルフが解説していきます。

保護費ベースでの不正受給の比率は0.39%

厚生労働省のデータによると、平成30年度の生活保護費の負担金は3兆6062億円となっており、そのうち約140億円が不正受給として決定された金額となっています。

比率で見ると生活保護費のうち、不正受給が占める割合は金額で見てわずか0.39%(平成30年度、小数点第2位未満四捨五入)となっています。

厚生労働省のHPより

この数字を持って「生活保護の不正受給はごくわずかだ!」と主張する人たちが少なからずいます。しかしこれを「世帯数」で見た場合には少し話が違ってきます。

平成30年度における生活保護受給世帯数は1,637,422世帯(1か月平均)ですが、そのうち不正受給の件数は37,287件となっています。

そこから計算した生活保護世帯数における不正受給の件数の割合は2.28%(平成30年度、小数点第2位未満四捨五入)となります。

先ほどの0.39%という数字と比べると少し印象が変わってきます(同じ年度内に同一世帯が複数回不正受給を行った場合もカウントされていますが、レアケースなのでそこは考慮していません)。それでも割合としてはだいぶ少なくはありますけどね。

100世帯を受け持っているケースワーカーの場合、平均して2件は不正受給を行っている世帯が発覚することとなり、私が働いていた自治体での感覚ともほとんど合致してきます(私がいた自治体では法定数の80を大きく超える130~140世帯を受け持つのが当たり前でしたが…)。

そして注目してもらいたいのが、この数字もあくまで一年度内におけるものということです。「過去に1度でも不正受給を行ったことのある世帯数の割合は?」ということになるとこの2.28%という数字から倍近くに膨れ上がると思われます。公的な統計はありませんが、少なくとも私がいた自治体ではそれぐらいの割合になっていました。

倍近くに見ても全体の95%ほどの世帯は不正受給とは関係のない世帯なわけですから、確かに大部分の生活保護受給世帯は不正を行わずにいるとも言えるでしょう。

とはいえ生活保護受給者の支援者や団体がよく言う0.39%という数字と比べるとだいぶ印象は変わってくると思います。

決定的な証拠が集まったものしか不正受給として扱えない

またこうした支援団体の支援者の中には「本来生活保護法第63条における返還金で済むものを不正受給扱いした自治体があったから、実際はもっと不正受給は少ないだろう」という人がいます。

確かに過去には不正受給として取り扱ってはいけないものを不正受給として取り扱った自治体はありましたし、決して許されるものではありません。

しかし実際はその逆のケースの方が多いと思います。つまり生活保護法第78条の不正受給として取り扱わず、生活保護法第63条の返還金にとどめる事例です。

これはなぜかというと、福祉事務所側としては相手方に万が一訴えられても確実に勝てるぐらいの証拠が集まったものしか不正受給として扱わず、不正受給の可能性が高いと思っていても証拠がないものに関しては生活保護法第63条の返還決定にとどめるからです。

ですから実態としては、生活保護法第63条の返還金で扱うべきものを不正受給にしているものよりも、不正受給の可能性が疑われるものでも生活保護法第63条の返還金として取り扱っているものの方が数としては圧倒的に多いのです。

生活保護受給者の支援者・団体こそ不正受給についてもっと怒れ!

不正受給の件数が少ない件数だと捉えたとしても、その1つ1つはかなりの曲者です。生活保護の不正受給をした人は一筋縄でいかない人が非常に多いです(高校生のアルバイトの場合以外)。

泣き落としだけならまだかわいいもので、逆切れ、不正を小さく見せるために嘘を重ねる等の行為が当たり前のように行われています。そしてこうした嘘を暴いたりするためにケースワーカーはかなりの時間と労力を割かれています。

生活保護の現場では、自立のために本来もっと支援が必要な世帯に時間を割かなくてはならないのに、こうした不正行為の追求に大きく時間を割かれるという現実があります。

生活保護受給者を支援している人たちや団体は「生活保護の不正受給はわずかだ!」とドヤるのではなく、不正受給に対してもっと怒るべきだと心から思います。不正受給が減ればその分ほかの不正受給を行っていない真面目な方々への支援に時間を割くことが出来るからです。

不正受給に対してはこうした認識がもっと広がっていくべきであると私ローンウルフは考えています。

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