資産額や肩書に惑わされるな!ハロー効果にご注意を
お疲れ様です、ローンウルフです。
インターネット上では実に様々な個人投資家たちが自分の考えを発信しています。そうした人たちの中には、高学歴をうたったり億単位の資産を持っていると積極的に主張して自ら権威付けを行っている人たちも多く見受けられます。
しかし情報の受け手側はこうした権威付けからは一歩身を引いた上で情報に接する必要があります。
なぜならこうした権威付けが必ずしも情報や主張の正しさや投資の能力について保証しているわけではないからです。
プロ野球選手はサッカーの能力も高いのか
例えばあるプロ野球選手がプロサッカー選手に転向すると発表したとします。発表時点でそのプロ野球選手はサッカーの実力としてはド素人であるため、プロサッカー選手になるためには一から練習をしなくてはなりません。
それに対し、そこらへんのごく一般のサッカー初心者の青年が自分はプロサッカー選手になると主張したとします。日常的にハードな筋トレやランニングをしていて、肉体能力は先述のプロ野球選手とほぼ変わりはありません。
両者を比べた時、どちらがプロサッカー選手になれる可能性が高いと思うでしょうか?通常は前者のプロ野球選手と答えるでしょう。
なぜそのように考えるのでしょうか?それはプロ野球選手の方は野球選手として成功しており、サッカーにおいても同様に成功する可能性が高いのではないかと人々が考えるからです。
このように、ある事実を評価しようとするときに、他の事象がその評価にまで影響を与えるという心理的効果をハロー効果と呼びます(後光効果とも呼ばれます)。
このケースにおいては、ある人がプロサッカー選手になれるのか?という判断にプロ野球選手であるという前提が影響しているのです。
投資におけるハロー効果
翻って投資の世界におけるハロー効果について検討してみましょう。
インターネットの世界においては、自らが億単位の資産を保有していると主張した上で株式投資についての情報発信を積極的に行っている人を度々見かけます。
そしてそうした主張をしている人は多くの人からの支持を受けることが多いようです。それは億単位の資産を持っているという事実自体が投資能力の高さや情報の質をも担保しているのではないかと人々が感じるからです。
先述のハロー効果により、情報の受け手側は本業や不動産事業において億単位の資産を築いた人を見て、他の分野で成功したのであれば株式投資においても成功する、またそうした人の発信する投資情報の内容は正しいのではないかと考えるのです(投資で成功をして億単位の資産を築いたのであれば話は別ですが)。
極端な話、贈与や相続によって億単位の資産を得た人でも、その資産規模による影響を人々は受けるのです。
このハロー効果は資産規模だけにとどまりません。高学歴や経営者などの素晴らしい経歴を見ると、その人の発信する投資情報の質や投資能力が担保されているように人々は感じます。
しかし学歴が投資能力を左右するのであれば、高学歴者が集まった金融機関の運用は素晴らしい運用成績であふれているはずですが、実際は必ずしもそうはなっていないのです。
資産額や肩書に惑わされるな
ここまでハロー効果についてお話させていただきましたが、当然ながら本業で成功して億単位の資産を築いた人や素晴らしい経歴を持った人の中で質の高い情報発信や高い投資能力を持った人は数多くいると思います。
重要なのは、こうした外形的な面から受ける心理的影響と情報発信の内容を切り離して考えることが出来るか?ということです。人は感情の生き物ですから、ハロー効果による影響は大なり小なり受けるのかもしれません。
大切なのは、そうした影響から人は逃れられないということを認めた上で情報に接することで、自らの判断をも懐疑的に捉えて心理的影響を可能な限り排除することなのではないかと私ローンウルフは考えています。