相関関係と因果関係とストゼロ
お疲れ様です、ローンウルフです。
2年半ほど前の話ですが、旧Twitterで相互フォローの関係にあるレム氏との間で、ランニングをしてどちらが速いか勝負をしたことがありました。
距離は7.5kmで、直接一緒に走るわけではなく、アプリを使ってお互いのタイムを競うという形を取りました。
自分は元々6日に1度ぐらいのペーズで10km走っていたわけですが、レム氏も年齢的にはおそらく自分よりも10歳ぐらい下なので、走る前は結果がどう転ぶかはわかりませんでした。
まず最初にレム氏が走ってタイムを公開しました。
レム氏は7.5kmの距離を1kmあたり4分58秒のペースで走りました。続いて私が7.5kmを走った時の記録です。
私は7.5kmの距離を1kmあたり5分12秒のペースで走りました。・・・完敗でした。
レム氏がちょくちょく走っていてたのは知っていたものの、正直ここまでの差がつくとは思っていませんでした。
なぜここまでの差がついたのか考えた所、二人の日常生活の中で大きな違いがあるということに気付きました。
それはレム氏は普段ストゼロ(缶チューハイ)を大量に飲んでおり、私は飲んでいないということです。
ということは私もストゼロを飲めば同じように速く走れるようになるのでは?だったら私も明日からストゼロを飲むぞ!
相関関係と因果関係の取り違え
・・・とは当然なりませんでした。この記事を読んでいる皆さんもこれはさすがにおかしいってわかりますよね(笑)
なぜならこのケースにおいてストゼロを飲む量と走る速さが因果関係を示しているわけではないからです。
因果関係とは要素同士が原因と結果で繋がっている事象を指します。先ほどのランニングの場合、ストゼロを飲む量と走る速さは因果関係にはありません。
ですが例えば普段走っている距離と走る速さであれば因果関係が成立し得る、というわけです。ただ他にも年齢といった要素もあるので、必ずしも因果関係は1つに絞れるわけではないということに留意が必要です。
ここで話を投資に移します。例えばROE(株主資本利益率)について、ROEが高ければ高いほど株式のリターンが高かったというデータがあったとします。
この場合ROEと株式のリターンの高さは相関関係にあるわけですが、それが必ずしも因果関係を示しているわけではありません。
なぜならば、株式のリターンはROEの高さだけではなく、1株当たり純利益の成長率や株式のバリュエーション、配当利回り等によっても左右されてくるからです。
もちろんリターンの構成要素の1つにはなり得るとは思いますが(先ほども言いましたが必ずしも因果関係は1つに絞れるわけではありません)、ROEとリターンが相関関係にある=両者が因果関係にある!と決めつけてはならないのです。
相関関係を見つけることは簡単にできる
これは何も投資に限った話ではなく、他の世の中の出来事においても適用できる話です。
ある事象について、相関関係にある別の事象を見つけることは意外に簡単に出来ますが(例えばあるワクチンの接種者数とある病気の数に相関関係があったとしても、病気は何千とあるわけですから他にも相関関係のある病気を見つけることが出来るでしょう)、それが必ずしも因果関係を保証するわけではありません。
こうした相関関係にある様々な事象について、それが因果関係をも成立させ得るものなのかにまで思考を巡らせることが、物事の成否の見極めに役立つのではないかと私ローンウルフは考えています。