楽観極まる米株式市場
お疲れ様です、ローンウルフです。
昨日の旧Twitterにて、
「社会保険料を支払うのがもったいない!その社会保険料を皆がS&P500に積み立てて年率7%で回せば、〇〇円が××年で△△円になる!」
といった投稿をいくつか見かけました。
私はこれらの投稿を見て、アメリカ株に対する楽観ここに極まれりと思いました。
誰もがアメリカ株に楽観的な時に高いリターンは得られない
まず考えてもらいたいのが、このS&P500が7%というリターンを得られたのはリスクプレミアム込みでの年率7%だったのであり、全国民が好んでS&P500に投資をしようという時にはこのリターンを得ることは出来ないという事です。
リスクプレミアムとは、リスク資産に投資する際に要求される、無リスク資産の利回りに上乗せされる期待収益率のことを指します。
なぜこれまでS&P500が年率約7%(配当再投資込み)を達成できたかと言えば、ITバブル崩壊やリーマンショックによる株価暴落によって10年にわたる長期低迷が起きた中でもバイアンドホールドを続け、配当再投資を実行することによって得られた利益だという事です。
今のように株価が順調に右肩上がりを続け、S&P500に長期投資すればみんな簡単確実に儲かる!といった楽観的な状況下での投資環境では、これまでのようなリターンを必ずしも得られるわけではないのです。
長期低迷・株価暴落時には株式には高いリスクプレミアムが要求され、それがこれまでの高いリターンをもたらしたわけですが、今のように「社会保険を廃止してその分をS&P500に投資すれば全国民が簡単に儲かる!」といった楽観が支配する局面では、リスクプレミアムは下がってこれまでの高いリターンを得ることは出来ない、というわけです。
健康保険料は自分の健康リスクに対して支払うプレミアム料
そもそも保険と投資は別物です。健康保険料や介護保険料は自分の健康リスクに対して支払うオプションプレミアムみたいなものと考えれば、金銭的な損失が出てしまうのは当たり前です。
公的な社会保険においては保険料という形で一定の支払額を出しておけば、いざ自分の身に重大な疾病や障害、怪我が起きたとしても医療費等の支払金額は一定の限度額に収まります。
しかしこれが公的な社会保険を廃止してしまえば、限度額はなくなってしまい支払額は事実上の青天井です。
一定の保険料支払いでこうした青天井を避けることが出来るのであれば、保険料支払いも安いものです。
自分の身にいつ何が起きるかはわからない
そもそもこうした社会保険は無駄!といった話を持ち出す人は自分がいつまでも健康でいられることを前提に話しているようですが、こうした方々は私みたいに酒もタバコもやらずに脂っこいものも極力控え、定期的な運動をするような健康的な生活を送っているのでしょうか?
さらに言えばこうした健康的な生活もあくまで病気に対するリスクを下げるだけであって、病気になってしまう時はなってしまいます。
そう考えれば、いざという時のための公的な社会保険を廃止してS&P500に皆で投資!なんてことはせず、そのまま維持していくべきなのではないかと私ローンウルフは考えています。












