金とビットコインの相関を調べてみた
お疲れ様です、ローンウルフです。
ビットコインの価格がここ1か月で急騰しています。ビットコイン価格は11月13日に一時90000ドルに到達し、たった1か月ほどで4割近くも価格が上昇しています。
価格が急騰した大きな理由として、アメリカ大統領選においてトランプ氏が当選したことがあります。
トランプ氏は1期目に「犯罪を助けるだけ」として暗号資産に否定的な姿勢を示していたものの、その態度を一変。米国を「地球上の仮想通貨の首都」にするなどと主張し、一転して暗号資産取引の推進へと転向しました。
こうした中で、よくビットコインと比較されるのが金です。ビットコインはデジタルゴールドとも呼ばれ、資産保全の一手段として金と比較されることが多いです。
比較内容としては、実際の保全手段と価格の変動性の2つが比較できると思いますが、今回の記事では後者の価格変動性について取り上げたいと思います。
ビットコインと金の相関係数を調べてみた
金は伝統的に安全資産として扱われているアセットクラスですが、ビットコインにもそのような特性があるのか、両者の相関係数を調べて確認したいと思います。
相関係数とは、2つの変数の関係性の強さを-1から+1までの間の数字を利用して表したものです。-1であれば2つの変数は真逆の値動きを示し、+1であれば2つの変数は全く同じ値動きをします。0であればお互いの値動きは完全に独立しているという事になります。
両者の相関係数を調べるにあたってネックになるのが、金は平日しか市場が開いていないのに対し、ビットコインは24時間365日取引が可能です。
そのため相関係数を調べるにあたっては、それぞれ金曜日の終値をベースにして週単位の値動きを基に相関係数を出していく事にしました。
期間は2014年11月9日から2024年11月10日までの10年間です。なお価格は両方ともドルベースです。またそれぞれの価格データはinvesting.comからダウンロードしました。
それではビットコインと金の相関係数を発表したいと思います。
ビットコインと金の相関係数は・・・
0.863です。
価格面では金とビットコインには強い相関性があることが見て取れると思います。
ただここで注意しておきたいのは、ビットコインが投資対象としてメジャーになり始めて実際に投資をする人が増えてきたのはここ5年ほどであり、2014~2016年あたりは投資どころか名前すら知らなかった人は多かったと思います。
そこで次に、ビットコインが投資対象としてメジャーになり始めてきた2019年からの5年間の相関係数についても合わせて載せたいと思います。
それでは発表します。ビットコインと金の直近5年間の相関係数は・・・
0.676です。
それなりに相関性があるものの、10年という期間よりは相関性が薄れました。
この程度の相関性であれば、資産保全という観点から見ればビットコインと金の両方を保有するというのもありかもしれませんね。
相関は変化する
ただ注意しておきたいのが、相関係数は継続的・持続的な指標ではないということです。相関関係というものは時間と共に変わっていくことが多いからです。
歴史の浅いビットコインについては、今後各アセットクラスとの相関性が大きく変化し得ると思います。
特にここ1、2年はリスクオフの局面でビットコインは大きく売られる事が多いです。今現在の相関係数が高いからといって、金と同じような値動きをするのを期待するのはほどほどにした方が良いのではないかと私ローンウルフは考えています。