株価の暴落が起きたら高配当は意味が無い?

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お疲れ様です、ローンウルフです。

昨年の8月5日、日本の株式市場において日経平均株価が12.4%も下落するという歴史的な暴落劇が起きました。

この暴落に際し、「これだけの暴落が起きたら高配当株の配当なんてほとんど意味が無い」といった意見を見かけました。

コロナショックの時も似たような意見を見かけましたが、確かに短期的に見れば高配当株といえど二桁の下落率を補えるほど配当金は出ません。

しかし長期的に見れば暴落は高配当株にとっては絶好の投資機会であり、こうした意見は短期的にしか物事を見ていない近視眼的なものです。

下落相場は高配当株にとっては利益の源泉

アメリカ株投資家に非常に有名なシーゲル教授の「株式投資の未来」。この本の中で当初のS&P500採用銘柄の中で一番高いリターンを残した銘柄として、フィリップ・モリスが取り上げられています。

フィリップ・モリスにおいては1957年から2003年までの46年間において、年率で19.75%もの非常に高いリターンを上げています。

フィリップ・モリスの高いリターンは、株価の上昇だけでもたらされたわけではありません。

フィリップ・モリスは1990年代に相次ぐ訴訟により株価は低迷し、1992年から2003年の半ばまでは株価がわずかに上昇した程度でした。

年末にかけて株価は大きく上昇したものの、それでも12年間で株価が倍になった程度でごくありふれた上昇幅に終わりました。

それでもその間フィリップ・モリスは減配することなく配当金を支払い続けたため、地道に配当再投資し続けた投資家は最終的にはS&P500を上回る高いリターンをもたらすこととなりました。

高配当株においては、下落相場は後の高いリターンの源泉となるのです。

なお「株式投資の未来」においては2003年までのリターンしか載っていませんが、その後もS&P500を上回る高いリターンを残し続けたことについては、過去に書いた記事において取り上げているので良ければご覧ください。

 

もっと言ってしまえば、高配当株に限らず下落相場というものは後々の高いリターンをもたらす機会を提供してくれます。

下記は「株式投資の未来」から引用した1929年から1954年にかけてのS&P500の累積リターンを表した図になりますが、世界恐慌による株価暴落が起きなかった累積リターンと、暴落が起きた実際の配当再投資を加味したトータルリターンが掲載されています。

 

上記の図によれば、1929年に1000ドルを投資した時、株価暴落が起きなかった場合は1954年に2720ドルと2.72倍になりますが、実際の株価暴落が起きた時のリターンは4440ドルと4.44倍となり、リターンに大きな差が出ていることがわかると思います。

よく言われることではありますが、配当金による再投資は下落相場のプロテクター、上昇相場のアクセルになるという事がこれを見てもわかると思います。

非線形的な高配当株のリターン

暴落時に記事の最初に挙げたような考えが出てしまう原因としては、高配当株のリターンが非線形的であることが挙げられます。

この問題を視覚的にわかりやすく捉えてもらうため、少し極端な例を持ち出します。

配当利回り5%の株式があったとして、それを100年間配当再投資し続けたとします。なお株価の変動はありません。その株に100年間配当再投資した場合の資産推移をグラフに表すと以下の通りになります。

投資期間のうち、前半部分については上昇ペースはゆっくりとしたものになっています。しかし後半になるにつれ、増加ペースが急激になっていることが見て取れると思います。

配当再投資による投資リターンは直線的に右肩上がりになるものではなく時間が経つにつれて増大しており、非線形的になっていることが見て取れると思います。

配当金の再投資によって配当が配当を増加させるサイクルを加味すれば、単年度の株価暴落で高配当株の是非を判断すべきではなく、長期的な時間軸でもって見るべきだという事がこの図を見ればわかると思います。

人はどうしても今起きている目の前の事態のみに目を向けがちですが、時間軸を長くとって未だ目に見えない将来にも考えを巡らせて物事の是非を判断すべきではないかと私ローンウルフは考えています。

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