パンデミックの到来を予見していたニコラス・タレブ
お疲れ様です、ローンウルフです。
2020年に起きた新型コロナウィルスによる世界的なパンデミック。未知のウィルスに世界中の人々は翻弄されました。
しかしこうしたパンデミックは一部の知識層の間ではいずれ起こりうると予見されていました。そのうちの1人に著書「ブラック・スワン」で有名なニコラス・タレブがいます。
予見されていたパンデミック
タレブは「ブラック・スワン」のペーパー・バック版のために書き下ろしたエッセイ(日本においては「強さと脆さ」というタイトルで1冊の本にまとめられています)において、下記の通り述べました。
私たちがもっと旅行するようになればなるほど、疫病の流行はいっそうひどくなり、一握りの病原菌が細菌全体の個体数の大部分を占めるようになり、致命的な細菌として成功した種は、いっそう効果的に広く蔓延するようになる。
私はグローバリゼーションを止めろ、旅行を禁止しろなんて言っていない。副作用やトレードオフにも注意しないといけないと言っているだけだ。でも、そういうことさえ気を配る人はほとんどいない。とても奇怪で強烈なウィルスがこの惑星全体に蔓延する、そんなリスクを私は感じる。
タレブがこの記述を書いたのは2010年ごろなので、新型コロナウィルスの流行の10年前から世界的な疾病の大流行を予見していたことになります。
驚くほど主張が似ているタレブとビル・ゲイツ
同じようにパンデミックを予見していた人としてよく取り上げられるのがビル・ゲイツです。
彼は2015年の講演で「もし1000万人以上の人々が次の数十年で亡くなるような災害があるとすれば、それは戦争ではなく、ウイルスです」と述べています。
この発言を根拠として陰謀論者が「コロナウィルスの流行とワクチン普及はビル・ゲイツが裏で糸を引いている!」というような主張をするのをよく見かけますが、年数だけを見ればタレブはビル・ゲイツよりも早くパンデミックの到来を予見していたことになります。
そして2022年の朝日新聞のインタビューでビル・ゲイツはこのように述べています。
僕たちの財団は貧しい国の感染症対策に力を入れていて、スペイン風邪から重症急性呼吸器症候群(SARS)まで、過去100年のあらゆるアウトブレーク(感染爆発)について研究している。その中で、人々が国境を越えて頻繁に移動するようになったことで、呼吸器系のウイルス感染症が瞬く間に広がることに気づいたんだ
このビル・ゲイツの主張は、先ほどのタレブの発言と驚くほど似通っていることがわかると思います。
ビル・ゲイツやタレブのような知見が豊富な人間からすればパンデミックの到来はいずれ起こりうる予見できた未来であり、彼らは陰謀論者が主張するようなパンデミックの仕掛け人なんかではないのです。
センセーショナルな内容の情報発信は人々の目を引きますが、SNSにおいてはそうした主張はまず疑ってかかるべきであり、SNSの情報よりも知見豊富な人の意見に耳を傾けた方が良いのではないかと私ローンウルフは考えています。












