優秀な成績を残したファンドはいつまでも優秀な成績を残し続けられるか
お疲れ様です、ローンウルフです。
堅調に推移するアメリカ株式市場ですが、特に直近数年間に好成績を残しているファンドに注目が集まっています。
ですが直近数年間の成績が好調だったファンドが、今後も好調な成績を残すことが出来るのでしょうか?検討していきたいと思います。
直近の成績が優秀だったファンドはその後も優秀な成績を残してきたのか?
まずは下記の表をご覧ください。
この表はジョン・C・ボーグル著「インデックス投資は勝者のゲーム」の中にあるものです。
2006年から2011年までのアメリカ株のアクティブ運用の投資信託のリターンをリターン順に5分割し、その5分割されたリターン群がその後の2011年から2016年において、どのようなリターンを残したかについてさらに5分割して表したものです。
注目したいのは2006年から2011年の間に最高リターンを残したグループです。最高リターンを残したグループがその後の5年間においても最高のリターンを残したグループにいた割合は、わずか13%にしか過ぎないのです!
反対に最低リターンに転落した割合は27%と、最高リターンの比率を大きく上回っています。低リターングループの25%と合わせれば、2006年から2011年にかけて最高のリターンを残したグループのおよそ半分が平均以下の成績に留まってしまったのです。
過去に優秀な成績を残したファンドはその後の5年間で優秀な成績を残すどころか、むしろ平均よりも低いリターンを残してしまったことが見て取れると思います。またこの現象は2006~2016年だけでなく、2001~2011年の10年間においても同様の現象が起きているとボーグルは指摘しました。
続いても表をご覧ください。
これはチャールズ・エリス著「敗者のゲーム」にある、上昇相場1年間での成績トップ20を残したファンドが、その後の1年間の下落相場でどのような順位になったかを表したものです。
上昇相場でトップ20の成績を残したファンドが、その後1年間でことごとく大きく順位を下げているのが見て取れると思います。
直近数年間で優秀な成績を残したファンドはその手法が直近の相場状況にたまたま適したにすぎない可能性が高い
以上のことを鑑みると、優秀な成績を残したファンドがこれからも優秀な成績を残せるとは限らないことが見て取れると思います。
結局はそのファンドが一定の期間優秀な成績を残したのは、ファンドマネージャーの腕が良かったり投資先が素晴らしい投資対象だったということよりも、そのファンドの投資手法や投資先がその時の相場の状況に合致していたからという面が強いのだと思います。
もちろん市場の状況にかかわらず常に優秀な成績を残しているファンドもあると思います。しかしそのようなファンドを事前に見極めることも容易ではありません。選別眼が投資家に強く求められるからです。そんなに簡単に見つかったら簡単に市場平均を上回れることになっちゃいますからね。
最近は直近の成績で好成績を残しているファンドに注目が集まりがちですが、特定のアクティブ運用型のファンドの成績が直近数年間で好成績を残したとしても、それが今後の好成績を残せるとは限らないということを頭に入れた上で投資判断をするべきではないかと私ローンウルフは考えています。