顕在化し始めた3倍レバレッジETFのデメリット

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お疲れ様です、ローンウルフです。

2023年以降好調なアメリカ株式市場。中でも半導体・AI関連銘柄は市場をけん引して注目を集めています。

そうした銘柄群の株価の上昇に目をつけ、大きく値上がりしている銘柄にレバレッジをかければ大きな利益を出せるのではないかとの考えから、レバレッジETFが個人投資家の中で人気となっています。

中でも一発当てて大金持ち・FIREを目論んでる人たちに人気なのが、3倍のレバレッジをかけたETFです。

これまで大きな価格上昇を見せてきた3倍レバレッジETFですが、ここにきてデメリット面が顕在化してきました。

3倍レバレッジETFの3つのデメリット

とここで3倍レバレッジETFのデメリットについて確認していきたいと思います。

1つ目は信託報酬の高さです。3倍レバレッジETFは1%前後の信託報酬の商品が多く、0.1%以下の信託報酬しかないインデックス商品と比較すると高い部類に入ると思います。

とはいえ得られるかもしれないリターンを考えれば、この程度であれば投資成績にさほど影響を与えません。問題は2つ目以降です。

2つ目は逓減です。3倍レバレッジETFはあくまで日々の値動きの3倍になるように設定されている投資商品です。

そのため日々の値動きがボックス圏で推移した場合に、インデックス商品はそのまま価格も横ばいですが、レバレッジ商品は価格が下がってしまいます。

そしてこの横ばいの期間が長ければ長いほど価格の下落幅は大きくなり、時間の経過はむしろ敵となってしまうのです。

3つ目は金利上昇の悪影響を受ける、です。レバレッジETFにおいては現指数にレバレッジをかける手段として、先物取引を利用します。そしてこの先物価格については金利上昇の影響を受けるのです。

下記の式は先物の理論価格を求める計算式ですが、短期金利から配当利回りを差し引いた金額が現物価格に上乗せされることがわかると思います。

そして3倍レバレッジETFは3倍のレバレッジをかけているので、短期金利の影響も3倍に膨れ上がってしまうのです。

 

かつては低金利政策によって短期金利は極端に低く抑えられたため、短期金利の影響は大きくありませんでした。ですが現在の政策金利は5.25%~5.5%に設定されており、その影響はかなり大きくなっています。

また経済を冷やしも熱しもしない中立金利が上昇したと言われ、中央銀行がインフレの鎮静化にやっきになっている現状を考えると、今後かつてのような低金利政策が取られる可能性は極めて低いでしょう。

顕在化し始めた3倍レバレッジETFのデメリット

今話した3倍レバレッジETFのデメリットは実際に基準価格にも表れ始めています。

まず個人投資家に人気のある半導体株の株式指数である、SOX(フィラデルフィア半導体株指数)のチャートを見ていきたいと思います。

 

直近ではやや価格が下落したものの、2022年の時の高値を未だ上回っており、高値圏を維持していることが見て取れると思います。

続いて個人投資家に人気の、半導体株指数に3倍のレバレッジをかけたSOXLのチャートを見ていきたいと思います。

大きく上昇しているSOXに3倍ものレバレッジをかけているわけですから、さぞかし大きく上昇していることでしょう。

 

2022年の高値を超えるどころか、2022年の半値以下にまで暴落しています。

3倍レバレッジETFといってもあくまで日々の値動きが3倍になるだけであって、結局は逓減や金利の上昇の影響からは逃れられないことが見て取れると思います。

ルールが変わったのに長期保有に固執し続けると壊滅的な打撃を受ける

先ほどのチャートを見て「2022年につけた安値からは未だに3倍の価格を維持している!この時に買えばSOXLは高いリターンを上げているじゃないか!」と思う人もいるかもしれません。

確かに直近の安値から見れば大きく上昇しているかもしれません。ですがそれはこうしたレバレッジETFのリターンはタイミング売買に依存するということの証左であり、私も短期売買に利用することは否定しません。

ですがこのような3倍レバレッジETFを長期保有して

「3倍レバレッジETFで一発当てて大金持ちになってやる!」

「3倍レバレッジETFでFIRE・早期リタイアだ!」

といった考えを持つのは止めた方が良いと思います。

3倍レバレッジETFの長期保有の前提として低インフレ・低金利というものがあったかと思いますが、今やそのルールは変わったのです。

ルールが変わったのに長期保有に固執し続けると壊滅的な打撃を受け、3倍レバレッジETFで早期リタイア・FIREするどころか、いつまでも職場にしがみつかなければならない事態に陥ってしまうので、そのような考えは捨て去った方がいいのではないかと私ローンウルフは考えています。

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