バブルなんて来なくていい
お疲れ様です、ローンウルフです。
2020年のいわゆるコロナショックの後、急激に株価を伸ばしたアメリカの株式市場。それは政府による莫大な財政出動とFRBによる金融緩和がもたらしたものでした。
株式にとってこれ以上ない好環境の中、投資資金はハイグロと呼ばれる売上こそ大きく伸びているものの、キャッシュフローや純利益が大幅な赤字の企業にまで流入。これらの銘柄は短期間で株価が何倍にもなったのでした。
しかし財政出動と金融緩和は同時にインフレをもたらし、消費者物価指数は前年同月比で一時9.1%にまで到達。
インフレを退治するため、今度はFRBは金融引締めに転じます。その結果、先ほどのハイグロと呼ばれるような銘柄群は今度は株価が数分の1、銘柄によっては10分の1以下にまで暴落。結局はコロナショック前の株価にまで戻った銘柄が続出しました。
こうした中インフレ退治のために行っていたFRBによる利上げも終わりを迎え、年内には利下げを始めるとされています。
こうした金利の低下は株式にとってはプラスの影響を与えるため、2020年の大規模な金融緩和を思い出して
「バブルをもう1度!」
と考えている人も個人投資家の中にはいるようです。
しかし私としては、バブルなんていうものは経済や投資環境にとって最終的にはマイナスの結果を生むこととなるので、バブルなんて来ないで欲しいと願っています。
最終的にはロクな結果しかもたらさないバブル
そもそもバブルというものは、一般的にはその物が持つ内在的な価値に対して著しく高い値付けがされている状態を指しますが、バブル状態になったものを買ってしまった場合にはそのバブルが弾けた場合に大きな損失を負ってしまいます。
バブルは実体経済にも深い傷を与えます。1980年代の日本と2000年代のアメリカの不動産バブルはその後深刻な不況を招き、日本においては「失われた20年」とまで呼ばれました。
またバブルは投資家の投資行動にも変化を与えます。
一度こうしたバブルを経験してしまった人はその時の高揚感を忘れることが出来ず、「バブルよもう一度!」と言わんばかりにまた似たような投資対象に投資してしまうのです。
ハイグロで儲けた人がハイグロにこだわり続けるのを見たことがある人も多いかと思いますが、これがその典型です。彼らはかつての栄光を忘れられずに同じような夢を見てしまうのです。
バブルよもう1度と言っている人の裏の心理
そもそも「バブルをもう1度!」との発言の裏にはある真意が隠されています。それはバブルが起きた時に自分だけは上手く売り抜けられると考えているということです。
最初に話した通りバブルというものは実際の価値よりも著しく高い値付けがされた状態であり、それが長期間にわたって維持出来ないことは皆分かっていると思います。
なのに「バブルをもう1度!」なんて発言するという事は自分だけはバブルから上手に利益を得られると思ってのことでしょうが、はっきり言ってそれは自信過剰です。
皆がバブル崩壊で大きな損失を出す中で、あなただけがバブルで大きな利益を得て逃げおおせられるなんて言うことは考えない方が良いでしょう。
それでもまたいつかバブルは起きる
それでも私が「バブルなんて最終的にはロクなことにならないから来るな!」と願っていても、またいつかどこかでバブルが発生すると思います。人間に短期間で大儲けしたいという欲望がある限りは仕方のないことです。
ただ投資で長期的な成功を収めたいということであれば、バブルが来ることを願いながら投資をするのではなく、むしろバブルとは距離を置いたほうが相場で生き残り続けることができるのではないかと私ローンウルフは考えています。