アメリカの生活必需品株は割高なのか?
お疲れ様です、ローンウルフです。
少し前にアメリカの生活必需品株について、割高な水準にあるためリセッションに入った時にこれまでのような下落耐性を発揮できないのではないか、という話を見かけました。
これまで生活必需品株はITバブルやリーマンショック時には相対的に良好な成績を残してきました。しかしそれが発揮できないというのであれば、生活必需品株の強みも失われてしまう事になってしまいます。
本当に今のアメリカの生活必需品株は割高な水準にあるのか?調べてみました。
アメリカの生活必需品株の過熱度
まずそもそもの生活必需品の対象銘柄について、私が保有している生活必需品セクターETFであるVDCの構成銘柄TOP10を調べたいと思います。
調べるにあたっては予想PERと共に、今期の1株当たり純利益の予想成長率も併せて載せたいと思います。
また割高かどうかを調べるにあたっては、予想PERはyahoo!financeの数字を、1株当たり純利益の予想成長率についてはseeking alphaの数字をそれぞれ採用しています。いずれも2023年10月8日現在の数値です。
それではご覧ください!
S&P500の予想PERは19.17倍となっており、コストコとウォルマートを除けば成長率を加味すれば割高でも割安でもない概ね適正な水準に見えます。
なおウォルマートは翌期は9%強の成長率が見込まれ、またコストコは最近アメリカを賑わせている窃盗被害の影響の少なさが注目されており、こうしたことがPERに影響しているのかもしれません。
最近の下落で割高さが薄れてきた生活必需品セクター
繰り返しになりますが先ほどの表を見る限りは、生活必需品銘柄は割高でも割安でもない概ね適正な評価がなされているのかなと私は感じました。
ただ生活必需品株は割高な水準にあるのではという話は直近の株価下落前に見かけた話であり、最近の下落によって割高さが薄れたという要素が強いのかなと思います。
実は昨年の2月にも生活必需品セクター銘柄について取り上げたことがあります。その時に乗せた表をここで改めて載せたいと思うのでご覧ください(一部銘柄の入れ替えがあります)。
ご覧の通り、フィリップモリスとアルトリア以外は予想PER20倍を超えていました。たしかに1年8か月前の時点では株価暴落時に下落耐性を発揮できなかったかもしれません。対して現在は予想PER20倍を超えている銘柄は4銘柄のみです。
現在のように過熱感が薄れてきた状態では、生活必需品銘柄もそれなりに下落耐性を示してくれるのではないかと私ローンウルフは考えています。