生まれては消える「新時代の投資」

2023年11月15日

スポンサーリンク

お疲れ様です、ローンウルフです。

アメリカの株式市場は今年こそ年初めから下げ続けているものの、2020年の4月から昨年末にかけては株価が大きく上昇し、保守的な銘柄よりもよりリスクの高い投資が報われた時期でした。

このような強気相場においては、輝かしいストーリーに彩られた自称「新時代の投資」が登場してもてはやされます。

しかしこうした新時代の投資と呼ばれる投資先に関しては、過剰な期待が株価に織り込まれており、資産を築くどころかあなたから大切な資産を奪いかねないので投資するのは避けたほうが賢明です。

60年前と変わらない投資家の行動と心理

以下の画像の内容をご覧ください。

 

これは「バフェット 伝説の投資教室」に載っている、バークシャー・ハサウェイを経営するよりも前のバフェット・パートナーシップを運営していたころの、ウォーレン・バフェットから出資者に宛てた手紙の一部です。

投資の新時代が始まったというような言いぶりはここ最近においてもよく見かけましたが、驚くことに60年以上前も同様に投資の世界で新時代が始まったと言われていたのです!

いかにテクノロジーが発達しようと、人間の心理や行動は昔と変わらないというのを思い知らされますね。

なお当時はゼロックスやポラロイドといった時代の最先端の銘柄に投資する3大グロースファンドが資金を集めていたわけですが、これらのファンドは1962年の上半期だけで32.3%もの暴落劇を演じたのです。

またバフェットは他の手紙の中で、こうも述べました。

上半期にいちばん大打撃を受けたのはいわゆる“グロース”ファンドで、ほぼ例外なくダウ平均を大幅に下回りました。

(中略)

公正を期して指摘するならば、1959~1961年の卓越した成績のおかげで、彼らの全体的な運用実績が今のところはまだ平均以上で、将来的にもそうなる可能性があるということです。

しかし皮肉にも、この初期のみごとな成績に吸い寄せられて新しい投資家が殺到したため、初期のすばらしい利益を享受した人よりも、今年の苦い経験をした人のほうがはるかに多くなりました。

この経験から、運用実績は市場の上昇期も下降期も含めて長期的に判断すべきとの私の仮説があらためて確認できたしだいです。相場はいつまでも上がりつづけるものではありません。上がることもあれば下がることもあるのです。

半年前にこのことを話しても聞く耳をもたない人が多かったのですが、今なら身にしみてわかるでしょう。

この60年前の手紙の内容も、今年の相場にそっくりそのまま当てはまるのではないかというぐらい類似しています。

私自身も投資手法は上昇相場と下降相場の1サイクルでその優劣を判断すべきとブログで繰り返し述べてきましたが、聞く耳を持つどころか嘲笑われる始末でした。

人が取る投資行動や人間心理は、60年前となんら変わっていなかったのです。

昨年見かけた「新時代の投資」

さてこのような自称「新時代の投資」は、昨年2021年でも見かけました。

 

このツミレバというものは、ツミレバというキーワードを生み出した大和アセットマネジメントによると、「積立」と「レバレッジ」を組み合わせた、従来の常識にとらわれない、新しい投資の選択肢とのことです。

レバレッジを用いた手法自体は何十年も前から行われていてなんら新しい取引ではないのですが、このようなキーワードを用いていかにも最先端の投資手法であるかのように投資家の心をくすぐるようなマーケティングを行うのでした。

またこちらはiFreeレバレッジNASDAQ100、通称「レバナス」への投資を積極的に勧めている風丸というYouTuberの動画のタイトル画面ですが、動画の中で彼はセクターローテーションの考え方は古い、ナスダックへの投資が新世代投資であると主張していました。

さてこれらの「従来の常識にとらわれない、新しい投資の選択肢」や「新世代の投資」であるレバナスの今年の投資成績はどうなっているのでしょうか?

 

年初来の成績は10月13日時点でマイナス61.29%と大きく落ち込んでいます。また2021年以降のレバナスブームに投資したほぼ全員が大幅な含み損という状況に陥っています。

また動画の中で「弱い局面ではクソミソに売り飛ばされ、その貧弱さはカラテカ矢部がUFCで戦うようなもので3秒で失神KO」とまで言われたエネルギーセクターの年初来の価格を、エネルギーセクターETFであるVDEのチャートで確認してみたいと思います。

失神KOどころか年初来で40%の大幅なプラスとなっています。古い考え方であるはずのセクターローテーションは、今回のサイクルでも働いているようです。

バフェットからの手紙にあった「初期のみごとな成績に吸い寄せられて新しい投資家が殺到したため、初期のすばらしい利益を享受した人よりも、今年の苦い経験をした人のほうがはるかに多く」なったという事態が、60年以上経った2022年においても繰り返されるのでした。

キャッシュを稼いでくれれば新時代だろうが旧世代だろうがどっちでもいい

はっきり言って投資先なんていうものは、安定して効率的にキャッシュを稼いでくれるのであれば新時代の投資だろうが旧世代の投資だろうがどっちでもいいです。

むしろそうした「新時代の投資」を冠した投資先は、未来の輝かしいストーリーによって彩られているため過度な期待が値付けに反映されており、ひどいものになるとキャッシュを稼いでいないことを綺麗に覆い隠すためにそうした輝かしいストーリーが利用されているのです。

これからもこうした新時代の投資は生まれては消えていくと思いますが、こうした新時代の投資を謳った投資先からはむしろ距離を置き、好況不況を問わず地道にキャッシュを稼いでくれる投資先を選定すべきではないかと私ローンウルフは考えています。

↓↓↓応援のクリックをして頂けると大変うれしいです(^^)
にほんブログ村 株ブログ 米国株へ
にほんブログ村

スポンサーリンク