ドラマ「健康で文化的な最低限度の生活」を現役のケースワーカーが見た感想

2018年9月18日

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【9月18日 最終話まで見た感想を更新しました】

お疲れ様です、ローンウルフです。

以前の記事でも紹介したとおり、「健康で文化的な最低限度の生活」が昨日7月17日より始まりました!放送日時は毎週火曜日の夜9時からです。

このドラマは新人のケースワーカーとして配属された吉岡里帆さん演じる主人公・義経えみるの奮闘劇を描いた作品です。ちなみにケースワーカーとは、生活保護受給者の支援をする地方公務員のことを指しますが、詳しく知りたい方は下記の記事をご覧ください。

 

ちなみにこのドラマには原作があって、同名タイトルである「健康で文化的な最低限度の生活」という漫画が原作となっています。

ウチの職場でもこのドラマ開始は話題騒然となっていますが、今回このドラマを見た感想を、現役のケースワーカーである私ローンウルフが書いていきたいと思います。

ドラマ「健康で文化的な最低限度の生活」を見た現役のケースワーカーの感想

まずドラマ全般の雰囲気で言えば、思ったよりシリアスに作品が作られているなーと思いました。テーマがテーマなのでもう少しコミカルに描かれるのかなと思っていたのですが、思った以上にリアリティがあるドラマだなと思いました。

原作自体も入念な取材の上で作られた作品ではありますが、ドラマ化されるにあたっては半田さんのモデルにもなったケースワーカー歴約20年、全国公的扶助研究会の衛藤さんという方が監修しており、それが現役のケースワーカーから見てもリアリティを感じさせるつくりになっているようです。

実際に生活保護受給者のお宅を訪問する場合も大体あんな感じですね。車が空いているときは車を使って訪問しますが、ウチの職場では自由に使える車が基本2台しかないので主人公のえみる達のように自転車でお宅を訪問することが多いです。今のような真夏の時期にも自転車で移動するので、正直今年のような暑さが続くと相当キツイです・・・

ドラマではえみるが遠藤憲一さん演じる阿久沢さんに会いに何度も訪問をしたり、一緒に法テラスまで同行したりしています。ですがあそこまで一人の人に時間を割くっていうのは実際には難しいんですよね。

ドラマでは表現されていませんでしたが、実際は阿久沢さんのような問題を抱えた生活保護受給者の方を同時進行で見ているわけで(私は130世帯以上持っています)、一つの世帯にたくさんの時間を割くのは現実的には難しいんですよ。

それに福祉事務所での窓口対応や電話対応にも追われ、1日の半分以上をその対応に費やすこともよくあります(自治体によりけりな所もありますが)。当然ながら生活保護費の支給の事務的な作業も並行して行わなければなりません。

なのでこのドラマを見た受給者の方々からは「私はあんなに熱心に訪問されてないんだけど!」と思われてしまうんじゃないかとちょっと不安です(;^^)まぁそもそもケースワーカーよりも扶養義務者である親族や関係機関がまず動いてもらうのが生活保護法上の原則ではあるんですけどね。

ちなみに実際の現場では阿久沢さんのような事例はごくごく一般的だと思いますし、人間的にもまともなほうだと思います。

色々とクレームをつけたあげく、

「俺に怒られたことを感謝しろ!」

とか言う人もいますし、延々と4時間以上にわたって苦情を言ってくる人もいます。異常が頻繁に続けばそれも日常になるのである程度は慣れてきますが、やはりキツいときはキツいです。


1つ気になったのが、えみるが担当していた受給者が自殺した時のことです。自殺を止められなかったとしてえみるは泣いていました。

ですが実際の現場であまり感情移入してしまうと精神的に病んでしまいます。生活保護の現場ではそれこそ驚くようなことが頻繁に起きます。そうしたことに一喜一憂してしまうと逆にケースワーカー側が病んでしまうのです。もちろん先ほど挙げたようなクレームを受けて精神的に病んでしまうような人もいます。

幸いにもウチの職場はみんな仲がよくて問題が起きてもみんなで対応策を考えようという意識が強いし、トラブルを話のネタにして精神的にふさぎ込まないように意識しているので休職している人は一人もいませんが、ほかの自治体では実際に精神を病んで休職するケースワーカーというのは結構多いです。

9月18日追記 最終話まで見た後の感想

第1話から最終話までこのドラマを視聴しました。なおウチの職場では休日や家に帰ってからも仕事のことを思い出したくない等の理由で途中で見るのをやめてしまった人が多かったです(;^^)重たいテーマだったからかあまり視聴率も振るわなかったみたいですね。

最終話まで見た感想として、実際の現場を結構とらえているとは思うものの、ケースワーカーも生活保護受給者もいい人ばっかりだったなーと思いました。

ドラマの中では育児放棄をしていた生活保護受給者の母親が最後は改心していましたが、実際の現場では改心すらしない悪意の塊みたいな人たちもいるんですよね。もちろん一部ではありますが。まぁそんな人たちを登場させたらドラマが成り立たなくなるでしょうけど(笑)

そういう我々ケースワーカーもあんなに感情豊かに動き回ったりしませんけどね。ベテランのケースワーカーの役の人が「精神的にもたないから感情移入するのをやめた」と言っていましたが、まさしくその通りだと思います。

生活保護受給者から見ればケースワーカーの対応が冷たいと思うこともあると思うんですが、感情を殺さないと我々も精神的にもたないんですよ。ケースワーカーは市役所(区役所)の中でも特に精神を病む人が多い部署です。まともに精神的に受け止めていったらこちらが精神を病んでしまいます。

生活保護受給者もその支援者も我々が病んだりしようが知ったこっちゃないって話でしょう。我々ケースワーカーを守ってくれる人なんていないので自分で自分を守るしかありません。ただこのあたり人によるところも多いとは思いますけどね。

ドラマは最終回を迎えましたが、我々ケースワーカーは明日も生活保護の現場で働いています。ドラマよりももっと人間臭い現場で。

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