1990年代にフィリップ・モリスを配当再投資し続けるのは難易度が高かったと思う

2023年11月15日

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お疲れ様です、ローンウルフです。

日本のアメリカ株投資家にはおなじみの、ジェレミー・シーゲルの「株式投資の未来」。この本の中で、1957年から2003年の期間に生き残った中で最も高いリターンを上げた銘柄として、タバコ銘柄のフィリップ・モリスが取り上げられています。

フィリップ・モリスは1990年代に相次ぐ訴訟によって長期間株価が低迷、株価は10年間ほぼ横ばいで推移しました。2000年代に入っても訴訟によって破産法の申請が示唆されるほどの状況に追い込まれています。

そんな中でもフィリップ・モリスは配当金を出し続け、その配当金で粘り強く配当再投資を行っていれば年平均で19.75%もの高いリターンを得ることが出来たとしました。

未来から過去を振り返ってみると、フィリップ・モリスを配当再投資しながらひたすらバイアンドホールドを続けるのはそんなに難しくないように思えますが、実際にそれを実行するのは極めて難易度が高かったと思います。

かつてのフィリップ・モリスのようになってきた3M

ここでその難易度の高さを理解してもらうために取り上げたいのが、私も保有している3Mです。私は今の3Mが当時のフィリップ・モリスの状況とかなり似ているのではないかと思っています。

3Mは当時のフィリップ・モリスと同じように訴訟を抱えています。耳栓訴訟とPFAS汚染訴訟です。

この2つの訴訟により、3Mは日本円にしてなんと2兆円近くの賠償金を負担することが予定されています。

これは2022年に3Mが稼いだフリーキャッシュフローのおよそ3年半分が賠償金として支払われることとなり、3Mの業績に莫大な影響を与えることがわかると思います。

そうした中で3Mの株価は長きにわたって低迷。3Mを10年間保有した場合、株価はマイナスに沈んでいます。

 

そうした中で3Mはフィリップ・モリスと同じように配当を出し続けており、増配も続けています。増配と株価の低迷が合わさった結果、現在の3Mの予想配当利回りは6.79%にも達しています。

それでもいくら配当を出し続けているとはいえ、今のように訴訟問題を抱えて長期的に株価が低迷している3Mについて、バイアンドホールドをして配当再投資を続けることが投資家に出来るでしょうか?私は難しいと思います。実際に3Mを長期保有している人をほとんど見かけませんしね。

このまま配当再投資を続けたところで株価が再び上昇する保証もありませんし、業績が低迷して減配する恐れだってあります。フィリップ・モリスのような成功が確約されているわけではないのです。

上がっているS&P500を尻目に長期低迷している銘柄をバイアンドホールドできるか?

さらに言えばフィリップ・モリスが1990年代に株価がほぼ横ばいで低迷している中で、S&P500は同期間で約4倍以上に価格が上昇しています。

周りの投資家が大幅に含み益を得ている中で、自分だけが低いリターンに甘んじている状況に耐えられる人はほとんどいないと思います。人は他人と比べたがる生き物なのです。

もちろん当時と金利や景気、政治の状況等異なる点も多くあるので同一視は出来ませんが、今の3Mと似たような状況が当時のフィリップ・モリスにもあったことを想像すると、実際にフィリップ・モリスを配当再投資し続けることが出来た人は少ないと思います。

未来から過去を振り返って、あの時ああしていれば高いリターンを得られたと語るのは簡単ですが、いざ実際に当時それを実行するのはとても難かしいことであると私ローンウルフは考えています。

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