驚くほど下がった公務員試験の難易度と人気
お疲れ様です、ローンウルフです。
先日、旧Twitterで「氷河期世代」という言葉がトレンド入りしているのを見かけました(トレンド入りした理由は不明です)。
私自身は氷河期世代の末期の頃に大学を卒業したわけですが、ふと私が当時公務員試験の第1志望にしていた東京都特別区(23区)の合格倍率が今どれぐらいなのかを調べてみました。
調べてみたところ、驚きの結果を目にしました。
驚きの低倍率化
ちなみに私が受けたのは特別区のⅠ類(大卒程度)の事務職員の採用試験なんですが、ここで私が受けた年の翌年の平成17年度(それより前はデータが残ってませんでした)の採用試験実施状況を載せますのでご覧ください。
平成17年度採用試験の合格倍率は13.9倍、つまり1次試験受験者の約14人に1人が最終合格まで辿りつけるという状況でした。
1次試験によって受験者数は8分の1以下にまで絞り込まれ、第2次試験受験者のおよそ6割が最終合格となりました。
なお平成12~16年の合格倍率も10倍台であった(20倍超の年もありました)と記憶しています。
それが令和5年度の採用試験での合格倍率はどうなっているのか?ご覧ください。
令和5年度の採用試験における合格倍率は、なんとわずか2.5倍にまで落ちています。これは第1次試験受験者のうち、2.5人に1人が最終合格をしているということになります。
第1次試験においては受験者のおよそ8割弱(!)が合格、第2次試験受験者のうちおよそ6割が最終合格となっています。2次試験での合格者の割合は変わっていないので、筆記試験で振り落とされる受験者が大幅に減った形です。
平成17年には14人に1人しか受からなかった採用試験が、今では2.5人に1人も合格できるわけですから、いかに公務員試験の難易度が下がっているかがわかると思います。
さらに採用予定数と最終合格者数の差を見てもらえると、難易度が下がっているだけでなく特別区職員の人気も下がっていることがわかります。
平成17年においては採用予定数310名程度に対して最終合格者数は487名となっており、採用予定数に対しておよそ1.6倍ほどの最終合格者数となっています。
ちなみになぜ最終合格者数と採用予定数に差があるのかというと、最終合格をした受験生のうち他の公務員や民間企業に流れてしまう人が一定数いるため、採用予定数よりも多く最終合格を出すのです。
それが現在の令和5年では、採用予定数1181名に対し最終合格者数3013名と、採用予定数の3倍近くの最終合格者数を出しているのです。
採用予定数に対してこれだけ最終合格者を出しているのは、昔と比べて特別区職員の人気が無く、他に流れていく人数がそれだけ多いことの現れでしょう。
なおこれは特別区に限った話ではなく、国家公務員試験(大卒程度)についても昔は10倍前後だった最終合格倍率は、現在4倍前後にまで落ち込んでおり、公務員人気と難易度が昔と比べて落ちているのがわかると思います。
プラチナチケットだった東京都特別区の採用試験合格
今回なぜ私が東京都特別区の採用試験について驚いてわざわざ記事にしているのかというと、就職氷河期末期の頃は東京都特別区の採用試験合格は公務員試験受験者にとってプラチナチケットだったのです。
中央省庁ほど忙しくも無く、給与もそれなりに高くて転勤もほとんどないので、当時の受験者にとって東京都特別区はかなり魅力的に映っていたのです。
私は1度目の公務員試験チャレンジ時には地方公務員になることは出来ずに某中央省庁で働くことになったのですが、採用試験後に内定者のうち数名と顔合わせする機会がありました。
その時にそれぞれお互いにどこの試験を受けたかといった話になったのですが、そのうちの一人が、
「俺は特別区に受かったけど、特別区は蹴ってウチの省に来た」
といった時に周りにいた皆が、
「えー、もったいない!!!」
「なんで特別区行かなかったの!?」
と口々に驚いていました。もちろん私もそのうちの1人です(笑)もう20年近くたった今でも覚えている衝撃的な出来事でしたからね。それだけ当時特別区は人気だったのです。
それがこれだけ低人気化しているわけですから、時代は変わったものです。元々地方自治体にいた頃に後輩から特別区は滑り止め化しているという話は聞いていましたが、まさかここまでになっているとは思いませんでした。
公務員になりたい人は今は絶好のチャンス
逆に言えば今は公務員になりたい人にとっては絶好のチャンスです。昔の厳しい時代を知っている人間からすれば、これほどイージーな環境はありません。
生まれた時代によって就職の難易度は変わると言われていますが、実際に数字を目にしてここまで差があるものなのかと思い知らされました。
流石にこのブログを読んでいる人はもうすでに就職してしまった人がほとんどだと思いますが、もし「今民間企業に勤めているけど転職をして公務員になってみたい!」と考えているのであれば、ダメ元で採用試験を受けてみるのもアリなのではないかと私ローンウルフは考えています。