私がフルインベストメントを推奨しない理由

2023年11月15日

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お疲れ様です、ローンウルフです。

投資をするにあたり、投資余力を残さずほぼ全ての投資資金を投資に回すという考え方と、投資余力をある程度残して時間をかけて投資を行うという2つの考え方があります。前者の考え方をフルインベストメントとも呼びますが、私はあまりフルインベストメントを推奨しません。

私がフルインベストメントを推奨しない理由、それは人間が感情の生き物であるから

フルインベストメントを推奨しない理由はそっちのほうが利益を出しやすいから、というわけではありません。むしろ長期的に見ればフルインベストメントのほうが利益は出ると思います。そりゃそうですよね、常に自らの資金のほぼ全てをリスクにさらしているわけですから、そちらの方が投資に対するリターンの期待値が高いのは当前ですよね。

それでも利益が少ない手法のほうを人(特に投資初心者)に勧める理由は、人間が感情の生き物だからです。例えば資産の全額を投資に回していた場合に、株価が暴落して30%値を下げたとします。余裕資金がないあなたは日々下落していく株価をただ指をくわえて見ているだけの状態になります。数か月の下落相場ならまだしも、数年かけてジリジリと株価が下がるだけの状態が続くと、

「いつまでこんな下げ相場が続くんだろう…」

「本当に理論通りに株価は元通りになるのか…?」

などと疑心暗鬼になってしまうと思います。果たしてこのような状態に陥った時にいったいどれだけの人が正気を保っていられるでしょうか?

事前に理論武装し、株価の下落は長期的な資産形成には必要だと理解している人なら問題ない

はずですが、その理論武装した人でもいざ実際に株価の長期的な下落局面に遭遇した場合、相当な精神的な負担が襲ってきます。あなたは今までに襲われたことのない自分との戦いを長期にわたって強いられることになるのです。自分との戦いに負けたが最後、持ち株を底値で手放すことになります。

米国の高配当株投資をしているあなた、現状は高配当株は大きく売られ調整局面に入っていますが、いわゆるFANGなどのハイテク銘柄は大きく上昇しています。高配当株の株価が調整しているのを尻目にハイテク株の株価が上がっているのを見ているだけの状態を我慢できていますか?

我慢できずに今までの考え方を変えてハイテク銘柄に乗り換えてしまった人、乗り換えたいと考えている人は要注意ですよ。他の銘柄が値上がりしているのだって我慢できないわけですから、暴落局面に入ったら株価下落の精神的な負担に耐えられずに持ち株を手放すことだって十分考えられます。

これを聞いても「私は大丈夫!」と思えますか?それでもリーマンショックを含め数々の下落相場を味わった私から言わせると、事前に予想してた感情の揺さぶりと、実際に相場が起こす感情の揺さぶりの大きさって体験してみると全然違うんですよ。まぁでもこればっかりは経験してみないとわからないかもしれませんけどね。

自分との戦いに絶対に勝てるという自信がある方はフルインベストメントでも構わないと思います。繰り返しますが利益額・率でいったらフルインベストメントのほうが上でしょうからね。

ちなみに株価急落による精神的な負担に耐えられる自信のない私はおよそ10年かけて理想のポートフォリオ(米国株7割、アノマリー投資を主体とした日本株投資3割)を構築している最中です。

長期に分散して投資している人にとっては株価の暴落は絶好のチャンス

それに対して長期にわたって分散して投資をしている人の場合、株価の暴落は絶好のチャンスとなります。まさに株のバーゲンセールです。普段よく行くお店でバーゲンセールがあったらみんな喜びますよね?それと同じです。

それまで積み上げてきた資産価格も下落するので、長期分散投資している人も精神的な負担は出てくると思いますが、それでもフルインベストメントをしている人よりは小さいと思います。

それじゃあ具体的にその長期って何年ぐらいを想定しているんだよっていう話ですが、私は5~10年かけて自分の理想とするポートフォリオを形成していくべきだと考えています。5~10年の間に急落局面が一度もないというのはなかなか考えづらいからです。急落がなかったらなかったでそれがそのまま利益にもなりますしね。

また、投資期間を10年超に設定してしまうと投資しないことによる逸失利益が大きくなってしまうので、これ以上の期間を設定しないほうがいいと思います。理論的な根拠に基づいているわけではないので絶対的なものではないんですけどね。

投資をするにあたって感情面は絶対に無視できない

以前から投資ブログでメンタル面の重要性を訴える記事が少ないのに正直少し違和感を感じていました。投資をするにあたっては、投資理論を構築したうえで臨むのは不可欠です。ですがその投資理論も感情を考慮したものでなくては絵に描いた餅となります。感情の揺さぶりはあなたが構築した投資理論をいともたやすく壊しにかかります。

そうした感情の揺さぶりをうまくいなす手段として、一定の時間をかけて資産を積み上げていくという方法は非常に有効な手段の1つとなります。特に投資初心者の方々は、長期的に資産形成を目指すうえでぜひ一度検討してみてはいかがでしょうか?

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