BTIの買いはナスダックショートの代替手段となり得るか

2023年11月15日

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お疲れ様です、ローンウルフです。

年初からの株価下落も一服し、反発局面を迎えているアメリカの株式市場。S&P500は今年の安値から15%、ナスダック総合指数は19%それぞれ反発しています。

しかし株価は戻したもののそれは金利の影響によるものが大きく、またいつ株価が大きく下げてもおかしくはありません。

特にナスダックの株価は金利上昇の影響が大きく、金利が急騰した場合に再度下落局面に陥る可能性は十分にあります。

そうした中で株価の下落を見越してナスダック総合指数のショート、つまり株価が下落すると利益を出せる取引を行いたいと思っている人も多いと思います。

また株価の下落に対する保険という意味でもショートをしたいという人は少なからずいると思います。

しかし株式に対してショートをするという行為は期待値的にはマイナスです。そのため、ショートでプラスのリターンを得るにはかなりタイミングよく売買する必要があります。

ナスダックショートの代替手段としてのBTI買い

そうした中で、期待値がプラスでありながらナスダックの下落によって利益を得られるような投資先がないかと私は考えました。

そうして思いついたのがBTI(ブリティッシュ・アメリカン・タバコ)の買いです。BTIはイギリスのタバコ会社ですが、ADRという形でニューヨーク証券取引所経由で購入することができます。

そんなBTIですが、ナスダックが下落した時に株価が上昇する(反対にBTIが下落した時はナスダックが上昇する)という話を時折見かけます。

それならばBTIを買えばナスダックが下落する中でも利益を得られ、さらに株式としてのプラスの期待値を得ることが出来るのではないか?と考え、調べてみることにしました。

調べるにあたっては相関係数を利用しました。相関係数とは、2つの変数の関係性の強さを-1から+1までの間の数字を利用して表したものです。

-1であれば2つの変数は真逆の値動きを示し、+1であれば2つの変数は全く同じ値動きをします。0であればお互いの値動きは完全に独立しているという事になります。

どの数値がどの程度の相関を示すかの厳格な基準はありませんが、例えば+0.9という数字であれば2つの変数はかなり同じような値動きを示しており、リスクヘッジという観点からはあまりいい組み合わせとは言えないでしょう、

BTIとナスダック総合指数の相関係数は?

今回BTIとナスダック総合指数の相関係数を調べるにあたっては、1992年8月31日から2022年8月19日の約30年間の毎日の終値を利用してエクセルで計算しました。株価データはinvesting.comから抽出しました。

それではBTIとナスダック総合指数の相関係数を発表したいと思います!

 

BTIとナスダック総合指数の相関係数は・・・

 

+0.516です。

 

この数字であれば強い相関性とまではいかないものの、ある程度似たような値動きを示しているといったところでしょうか?

相関係数がマイナスとまではいかなかったものの、ナスダックを買い持ちしている人にとってはそれなりにリスクヘッジの手段になり得るのかなと思います。

ただこの数字は直近約30年間の株価を用いて計算した数字です。20~30年前と現在ではナスダックの銘柄の構成も大きく変わっており、この相関係数を今現在においてそのまま利用していいものかという話もあります。

そこで続いて、2012年8月31日から2022年8月19日の直近およそ10年間の両者の株価を用いて相関係数を調べたいと思います。

それではBTIとナスダック総合指数の相関係数を発表したいと思います。

 

BTIとナスダック総合指数の直近10年間の相関係数は・・・

 

-0.669です。

 

驚いたことに直近10年間において、BTIの買いはナスダックショートの代替手段に相当程度成り得たのです!

ちなみに私が保有しているマコーミックとナスダック総合指数の相関係数も調べてみたのですが、30年間では0.945、直近10年間では0.912とかなり似たような値動きを示していました。

マコーミックと比べると、BTIの買いが如何にナスダックの下落に対するヘッジとして効果を発揮してきたかがわかると思います。

過去のデータに基づいて計算した相関係数は将来の相関を約束しない

ただここで注意しておきたいのが、直近10年間の両者の価格が負の相関を示したからといって、将来にわたって負の相関を約束するわけではありません。これはあくまで過去の価格推移の関係性を示したものに過ぎないからです。

またリーマンショックのように何でも叩き売られるような局面では、BTIも同じように叩き売られました。

上記はリーマンショックの前営業日から半年間(この間にナスダック総合指数は安値を付けた)の値動きですが、ナスダック(赤)に比べればBTI(黒)の下落率はマシではあるものの、それでもかなり大きく下落していることがわかります。

相関係数はあくまで日々の値動きに対する2つの価格の関係性を示したものですから、一定期間それがあまり働かないという事態が続くことも想定した方が良いと思います。

さらにこれはあくまで相関関係を示したものであり、両者は因果関係にはなっていないということに注意が必要です(ナスダックの下落がBTIの買いによって引き起こされるわけではない)。

それでも両者のビジネスの内容まで踏み込んで考えれば、今後もBTIはナスダックとは異なる値動きを続けていくのではないかと思います。

ナスダック買いのリスクヘッジやショートを考えている人の一手段として、BTIの買いを抑えておいてもいいのではないかと私ローンウルフは考えています。

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