市場に振り回されないために市場心理の振り子の位置を意識せよ
お疲れ様です、ローンウルフです。
2月後半に入り、これまで好調だったアメリカ株が一転して急落を始めました。これまで極端に強気一辺倒であった投資家たちの心理は、まるで振り子が反対方向に揺り戻すかのように、ここにきて一気に弱気に傾いていきました。
こうした株価の下落について、具体的な下落のタイミングを予測するのはプロの投資家でも極めて難しいでしょう。ですが事前に備えをすることだけであればある程度は可能なのです。
市場心理と振り子
ハワード・マークスは「投資で一番大切な20の教え」の中で、投資家の市場心理を強気と弱気の中で繰り返す振り子に例えました。
そしてこの振り子の動きについて、動きを予測するのではなく、振り子が今どこの位置にいるのかを意識して投資に臨むことが重要であると説いたのです。
振り子がどこの位置にいるか、つまり市場が今現在過熱状態なのか悲観の中にいるのかということは比較的容易に測れると思います。
「一括投資」
「レバレッジ」
「時代は変わった」
「投資をしないことは機会損失」
「昔と今とでは金融政策が違うから暴落しない」
などなど、こういった強気のキーワードが頻繁に飛び交うようなら市場は過熱のサインを発しているといえるでしょう。
熱狂は意外と長く続く
しかし前述した通り、相場が具体的にいつ反転するかはわかりません。市場の過熱状態というのは皆が想像している以上に長く続くことがあるのです。
1996年12月、当時FRB議長であったアラン・グリーンスパンは、当時の株式市場の好調さについて、「根拠なき熱狂」として警鐘を鳴らしました。
しかしこの熱狂はITバブルが崩壊する2000年まで継続することになるのです。そう、熱狂は意外と長く続くのです。
ハワード・マークスも「投資で一番大切な20の教え」の中で、こう述べました。
ほとんどの市場現象で生じるこの振り子に似たパターンは非常に確かなものだ。しかし、サイクルの変動のように、以下のことは誰にもわからない。
・振り子が軌道のどこまで揺れ動くのか
・何が原因となって、振動が止まり、反転するのか
・反転がいつ起きるのか
・反転して、どこまで揺れ動くのか
市場の振り子の動きを予測するのではなく、今振り子がどこにいるかを意識せよ
それでは我々はこの悲観と楽観の振り子の運動に対し、どのように臨めばいいのでしょうか?それは先ほども述べた通り、振り子の動きを予測するのではなく、振り子が今どこの位置にいるかを意識すべしということです。
両者は似て非なるものです。市場が過熱しているからと言って「もうすぐ株価が暴落する!」などと解釈をしてはなりません。繰り返しになりますが、相場の動きを予測するのは非常に難しいのです。しかし市場心理の振り子が今どこにいるかは比較的容易に推察できます。
今はどこを見渡しても悪いニュースしか見かけなくなりました。投資家たちの意見も総悲観に傾いています。明らかに今の相場は悲観の方向に振り子が傾いていると言えるでしょう、
市場心理を見渡した時に、明らかに過熱感を感じる時には恐る恐る買いを入れ、あるいはいつも以上に備えを重視し、悲観にくれている時はいつも以上に積極果敢に買いを入れる。
そのようにして市場心理に振り回されるのではなく、むしろ市場心理の振り子を利用することが、周りの意見に流されずに投資判断を下すために必要であると私ローンウルフは考えています。