相場下落時に相場の反発を示す格言が出ても期待しないほうがいい

2023年11月15日

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お疲れ様です、ローンウルフです。

今年に入ってからアメリカの株式市場は軟調な相場展開が続いています。しかし一直線にひたすら下げ続けていたわけではなく、反発局面を交えながら下がっています。

上下を繰り返しながら下げ続ける相場の中で、時折見かけるのが本格的な相場の反発を期待させるような相場格言です。

こうした格言を見て相場の本格的な上昇に期待を寄せた人もいるかもしれません。しかし相場下落時に見かける反発を期待させるような格言は当人たちが希望的観測で発言しているだけであって、あまり参考にしない方が良いと思います。

今年に入って3度見かけた相場の上昇を予感させる相場格言

このような反発を期待させるような相場格言は、私の知る限り今年に入ってから3回も見かけました。

1度目はロシアによるウクライナへの侵攻の直前です。こうした戦争のような地政学リスクの高まりは株価に対してネガティブな影響を与えます。

しかし当時は「銃声が鳴ったら買え」「遠くの戦争は買い」といった言葉が飛び交い、戦争が始まればむしろそれが株価上昇のきっかけになるのではないかという意見が飛び交っていました。

しかし現実にはロシアによる侵攻が始まってからも株価下落が続いているのは皆さんご承知のことだと思います。

2度目は「アメリカが政策金利を上げ始めてもしばらくは株価上昇が続く」という言葉です。

これは相場格言とはちょっと違いますが、今年の初めごろにFRBが政策金利をおよそ3年ぶりに上げようかというタイミングで飛び交った言葉でした。

一般的には利上げは株価や景気に対して悪影響を及ぼします。基本的に利上げは景気を冷やす効果があるからです。

しかし当時は「利上げするということは利上げが出来るほどアメリカ経済が強い証拠」であるとして、利上げをしてから株価は上昇に転じるのではないかという意見が飛び交っており、実際過去にもそうした傾向がありました。

しかし現実は利上げを始めてから株価が上がるどころかズルズルと下げていく一方でした。

そして3つ目は「半値戻しは全値戻し」という言葉です。

S&P500は終値ベースで今年の1月4日に過去最高値である4796.56ポイントをつけた後、利上げや地政学リスクの高まりを受けて大きく下落。6月16日には3666.77ポイントと過去最高値から25%近く下落しました。

しかしその後8月にかけて反発。8月16日には4305.2ポイントに達し、過去最高値から底値までの間の半値戻しを達成しました。

アメリカの株式市場は半値戻しを達成してから再度弱気相場入りして安値をつけたことはないとして、当時「半値戻しは全値戻し」という言葉が飛び交いました。

しかしその後9月にかけて再度株価は下落。8月につけた安値を割り込むこととなり、過去1度も起きていない事態がついに起こってしまうのでした。

過去に特定の出来事が続いたからといってそれが今回も続くとは限らない

いずれも下落相場においてよく見かけた言葉でしたが、結局は下落相場の中での希望的観測に過ぎませんでした。

弱気相場が続くとどうしてもこうした希望的観測にすがりたくなる気持ちもわかりますが、こうした希望的観測よりも今目の前に起きている事実を受け入れるべきだと思います。

これらの格言を裏付けるサンプル数は数えるほどしかなく、有意性を裏付けるにはあまりにも事例が少なすぎるのです。今後もこのような希望的観測に基づく反発が期待できる格言を見かけたら注意してかかった方が良いでしょう。

とはいえ「歴史は繰り返さないが韻を踏む」という言葉の通り、出来事がそのまま繰り返さないにしてもその裏にある人間の感情は昔と変わりません。

希望的観測にすがるのではなく、今起きている事実と昔と変わらない人間心理、その2つを意識して相場を俯瞰するべきなのではないかと私ローンウルフは考えています。

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