後知恵で投資先を出しても意味がない
お疲れ様です、ローンウルフです。
先日一部の人たちの中で「シン・FANG+」というものが話題になっていました。
シン・FANG+とはMETA、Apple、ネットフリックス、alphabet、Amazon、マイクロソフト、エヌヴィディア、テスラ、AMDの計9社を総称したものです。
この9社に2017年12月から均等に投資をした場合、5年半後の2023年6月には投資元本が5倍にも達し、レバナスの3.4倍をも上回っていたとのことです。
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— 風丸@レバレッジYouTuber (@kazemaru8082) July 5, 2023
しかし私としては、投資先を後出ししたところでそれが将来のパフォーマンスの高さを保証するものではないので、こうした後知恵の投資先に投資するのは止めた方がいいと思います。
上がる前に言わないと意味がない
繰り返しになりますが、過去の投資パフォーマンスの高さは将来の投資パフォーマンスをも保証するものではありません。
例えばAppleは2016年ごろはPERは10倍台前半と割安な状況に置かれていました。それが2023年7月23日現在では予想PERが29.15倍と30倍近くに達しています。
Appleの高いリターンは1株当たり純利益の増加と合わせてPERの上昇によってもたらされたものですから、後者のさらなる伸びがほとんど期待できない中でかつてのような高いリターンを望むのは難しいと思います。そしてこれはAppleの話だけではなく、他の銘柄にも言えることです。
またそれぞれの時期によって金利、景気動向、物価、地政学上のリスクなど様々な要因が異なっているわけですから、過去の高い成績を将来にそのまま適用できないことは少し考えればわかると思います。
そもそもそんなに優秀な投資先だというのであれば、なぜそれを株価が上がる前に言ってくれなかったのでしょうか?というかレバナスよりも高いリターンをもたらしているのであれば、シン・FANG+よりなぜレバナスを推奨していたのでしょうか?
いくらそれらが過去に高いリターンをもたらしてくれたとしても、それを株価が上がる前に言ってくれないと意味がないのです。
後知恵バイアスの罠から逃れる
このように現在から過去を振り返り、それが当初から予測可能であったかのように振る舞うことを後知恵バイアスと呼びます。
この後知恵バイアスについて、ニコラス・タレブは著書「まぐれ」の中で、このように述べています。
後知恵バイアスにはもっと悪い効果がある。過去を予測するのがとてもうまい連中が、自分は将来を予測するのもうまいものだと勘違いして、自分の能力に自信を持ってしまうのだ。
確かに過去の高いリターンを将来にそのまま延長して語る人たちは、自信に満ちあふれて輝かしい将来を語る人が多いです。
しかし我々投資家に求められるのは、過去のデータを基にして過剰に最適化したポートフォリオを組み、将来の成功が約束されたかのように思いこんで傲慢になることではありません。
市場は変化していくものと捉えて謙虚かつ懐疑的な視野で臨み、市場の変化にも耐えうるポートフォリオを組むことが投資家に求められるのではないかと私ローンウルフは考えています。