生活保護を受けてもiDeCo(イデコ)に影響しないって本当?

2023年11月15日

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お疲れ様です、ローンウルフです。

ちょっと昔の記事で、あるブロガーの記事に生活保護を受けていてもiDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)の資産は没収されずに生活保護の受給に影響は与えないという記事を見かけました。

 

この記事に書いてあることは本当なのでしょうか?生活保護の最前線で働く現役のケースワーカーである私、ローンウルフが解説したいと思います。

原則解約が出来ないiDeCo

結論から申し上げますと、上記の記事の内容は半分正解で、半分間違いです。この半分正解で半分間違いという意味について、以下に詳しく説明したいと思います。

まず生活保護を受けるための前提として、生活保護法第四条第1項により、

その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することを要件として行われる

と定められています。

つまり利用し得る資産を持っているのであれば、原則としてまずはそれを現金化して生活の維持に充てなくてはならないと規定されているのです。

そしてその現金化についてですが、iDeCoについては途中で解約することが原則出来ないため、物理的に現金化することが出来ません。

従って、上記ブログの「iDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)の資産は没収されずに生活保護の受給に影響は与えない」という内容はこの時点では正しいと言えるでしょう。

なおiDeCoで保有している資産に対してはその運用の指示を与えることはできるものの、生活保護を受給中に得たお金は最低限度の生活の維持と自立の助長につながる支出にしか使えず、資産の形成のためには使えないため、新たにiDeCoに加入する、生活保護受給中に掛金を拠出するということはできません。

60歳到達後のiDeCoの取り扱いに直接的な規定はない

生活保護受給中に無事就職先も決まり、晴れて生活保護廃止となれば再びiDeCoを活用することが出来、掛け金も拠出することが出来ます。

しかし問題は受給年齢である60歳に到達した時です。なおiDeCoの受け取り方は3種類あります。分割(年金)受け取り、一括受け取り、そして分割と一括の併用の3つです。

この受け取り方の指定についてですが、私が調べた限りではどの受け取り方にすべきかということについて明確な規定はありません。実際の運用上でこうした事例が出てきた場合、上級官庁に照会をかけることになると思います。

しかし今回の記事においてはここで止めることはせず、分割での受け取りと一括での受け取りをそれぞれ選択した場合に、どうなるかを可能な範囲で説明したいと思います。

ちなみに受け取り方のうち、併用はおそらく認められないと思います。また受取年齢を後ろ倒しにすることはできません(国民年金の繰り下げ需給は認められていないため)。

まず一括で受け取ることを選択した場合、その受け取った金額は原則全額福祉事務所へ返還することになります。

なぜなら生活保護法第63条により、

「被保護者が、急迫の場合等において資力があるにもかかわらず、保護を受けたときは、保護に要する費用を支弁した都道府県又は市町村に対して、すみやかに、その受けた保護金品に相当する金額の範囲内において保護の実施機関の定める額を返還しなければならない」

と定められているからです。

ただし今まで支払った保護費よりも一括で受け取った年金額の方が多い場合、支払った保護費分の年金額を福祉事務所へ返還することとなり、残った金額が半年以上の生活を送ることが可能な金額であれば生活保護廃止となります。

次に分割で受け取ることになった場合、その受け取った年金額分の金額が保護費から差し引かれるため、実質的にはiDeCoを保有していた意味がなくなってしまいます。

例えば生活保護費として毎月13万円もらっていた人が、60歳に到達してiDeCoでの分割での受け取りを選択して毎月5万円を受け取ることが出来る場合、その5万円分が生活保護費から削られることとなり、受給できる生活保護費は13万円から5万円を引いた8万円となるのです。

分割での受け取りとなった場合はもう1つのパターンがあります。先ほどの例で言うと、最低生活を送るための費用が月13万円とされている世帯が、iDeCoの分割受け取り分の月5万円以外に毎月10万円の別の収入があった場合、最低生活費を超える収入(15万円)があるため、晴れて生活保護廃止となります。

なお金額はあくまで例示であり、実際の計算ももう少し複雑ですが、説明のために簡略化させていただいてますのでご了承ください。

iDeCoやつみたてNISAはお金に困らない生活を送るための有力なツール

以上、iDeCoと生活保護の関係について述べさせてもらいました。ちなみになぜ半年以上前の記事を基にして書いたかと言うと、最近実際にiDeCoに加入している生活保護の申請者がウチの福祉事務所にいたからです。

その人は私の担当になる予定ではなかったんですが、私は周囲に株式取引をしていることを公言しているので、上司から質問を受けて調べてみたという経緯があったのです。

ちなみに冒頭のブログ記事を書いた人は「つみたて次郎」という著名ブロガーで、つみたてNISAやiDeCoについてブログで情報を発信しているインフルエンサークソリプ製造機です。

 

つみたてNISAやイデコは、これからの世の中でお金に困らない生活を送るうえで非常に有力な制度となっているので覗いてみてはいかがでしょうか?ちなみに私のブログでも過去に取り上げています。

 

これを機会につみたてNISAやiDeCoについて一度調べてみていただければどうかと私ローンウルフは考えています。

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