究極的には医療保険は不要?生活保護がもたらしかねないモラルハザード

2023年11月15日

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お疲れ様です、ローンウルフです。

ガンなどの重病になった時のため、民間の医療保険に加入している方は多いと思います。入院費用、手術代…重篤な病気の治療には多大な費用がかかってしまうからです(高額療養費制度により上限額はありますが、長期入院ともなれば負担は大きいです)。

そうした中で預貯金や株式等で資産を確保する理由の1つとして、こうした病気になった時の費用の確保を挙げる人もいると思います。

預貯金も収入もほとんどないAさんが緊急入院した場合

とここである1人の高齢者Aさんがいたとします。Aさんは定年退職後、退職金でしばらく暮らすもほとんど使い果たしてしまい、預貯金もほとんど底をついてしまいました。

独身で妻や子供もおらず、両親も他界していて兄妹もおらず経済的援助を期待できる親族はいません。家は賃貸で車も保有しておらず、資産と呼べるものはありません。もらっている年金もごくわずかでした。

そんな中でAさんはある日街中で突如倒れ、意識を失ってしまいます。救急車で病院に運ばれるAさんは緊急手術を受けることになります。手術は成功し、なんとか一命はとりとめました。

しかしAさんは意識は回復して意思疎通は取れるようになったものの体に麻痺が残り、病院で入院を継続しながら長期のリハビリ生活を余儀なくされることとなりました。

しかし先述の通り、Aさんには預貯金もほとんどなく、年金収入もごくわずかです。当然ながら、入院中にかかる費用は病院に支払わなければなりません。この場合、Aさんの治療費はどうなると思いますか?

病院がとりっぱぐれないために病院経由で本人に生活保護申請をさせる

結論から言うと、Aさんの治療費は最終的に生活保護費で賄われることになります。

元々Aさんは生活保護を受給しておらず、申請もしていませんでした。なのになぜAさんの入院費用が生活保護費から賄われることになるのでしょうか?

病院には通常、入院患者の身の回りのお世話や親族との連絡、医療費の相談にのってくれる医療相談員(MSW)という人たちがいます。

その病院の相談員経由で各自治体の福祉事務所に連絡が入り、Aさんが生活に困窮していて医療費が払えない状態である等の事情を説明し、Aさんに生活保護申請をさせるのです。

この場合Aさんは今はまだ動けないわけですから、福祉事務所の人間が病院に訪問して事情を伺うことになります。私自身も何度も訪問したことがあります。

こうしてAさんは病院にて生活保護を申請。預貯金や収入が基準以下かどうか審査した結果、生活保護の受給が決定し、病院に支払うべき医療費は生活保護費で賄われることになったのです。

本人が生活保護申請をしなくても生活保護は決定できる

とここで、生活保護の申請について話しておきたいと思います。

生活保護を受けるためには原則として本人もしくは扶養義務者、同居の親族による申請が必要となります(生活保護法第7条)。先ほどの事例においては、Aさんは体に麻痺が残るものの意思疎通が取れるため、申請をすることが出来ました。

しかしもしAさんが手術は成功したものの、寝たきりで意思疎通も取れなくなったとします。生命の維持にはこのまま入院が必要な状況です。

代わりに申請してくれる親族もおらず、本人の意思疎通が取れない場合は生活保護申請の意思の確認が取れないため、生活保護の申請が出来ないことになっていまいます。このような場合には一体どうなるのでしょうか?

実は先ほどの話はあくまで「原則」で、例外はあります。その根拠は以下に記載した生活保護法第7条にあります。

第七条 保護は、要保護者、その扶養義務者又はその他の同居の親族の申請に基いて開始するものとする。但し、要保護者が急迫した状況にあるときは、保護の申請がなくても、必要な保護を行うことができる。

 

以上の条文の但し書き以降の内容の通り、入院した本人が急迫した状況にあると福祉事務所が確認を取れれば、保護申請がなくても生活保護の決定は出来るのです(もちろん審査はします)。入院を継続しなければ死んじゃいますからね。

究極的には医療保険は不要?

こうした現実を、私は生活保護の仕事を始めてから初めて知りました。この記事をご覧になっている人の中でご存知の方はいるんでしょうか?

そしてこうした事実を知った時に、子供がいなかったり自立して家を出ているような世帯は、究極的には民間の医療保険に加入する必要ってないんじゃないか?と思ったりもしました。だって手持ちのお金がなくても最終的には生活保護費で入院費用が賄われるんですからね。

とはいえ老後になって困窮した生活を送りたくはありませんし、私自身の信念としてモラルハザードに加担したくないという思いが強くあります。だからこそこのブログでお金に関する情報発信を始めたのです。

ブログは儲からないからオワコン?そんなの知ったこっちゃありません。自分はアフィリエイトや情報商材の販売にいそしむことなくあくまで投資で老後資金を賄い、このブログでは資産運用のすばらしさを説いていきたいと思います。

こうした制度があろうとも、私自身は生活保護に頼らなくても金銭的に自立した生活を送っていきたいと私ローンウルフは考えています。

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