「情弱が騙されたり損したりするのはいいこと」なのか
お疲れ様です、ローンウルフです。
先日インターネット上で「情弱が騙されたり損したりするのはいいこと」という意見を見かけ、こうした意見に賛同している人が散見されました。
しかし私としては、こうした考え方に対しては全く賛同できません。
そもそもこうした考えをするに至った理由については明記されていなかったためわかりませんでしたが、騙すような形でお金を奪うということはそれは収奪にしかすぎず、社会的な混乱を招くだけです。百歩譲っても社会的にはプラスマイナスゼロにしかならないと思います。
こうした行為は内容によっては法的に規制されているものもあり、そうした収奪は社会秩序を乱すものとして認識されており、少なくとも「いいこと」とは言えないと思います。
心に響いた元京セラの稲盛会長の言葉
先日テレビ東京の「カンブリア宮殿」という番組で、回転寿司チェーンのスシローを運営しているFOOD & LIFE COMPANIES(以下F&L)社長の水留浩一さんが出演していました。
水留社長はF&Lの社長を務める前はJALで副社長を務め、元京セラの稲盛会長の下で働いていました。
とある会議で水留さんが稲盛会長にある提案をしたところ、「水留くんはビジネスのことが全く分かっていない」と一喝されました。
一喝した理由について、稲盛会長はこう話しました。
「それでは相手が困るだろう」
「相手が困るということは商売として続いていかない」
「相手もしっかりと利益が残る形でやっていかないといけない」
自分たちだけでなく相手方にも利益が残るようにする、これが稲盛会長のビジネスというものに対する価値観でした。
このような考えは「情弱が騙されたり損したりするのはいいこと」とは対極にある考え方だと思います。
片方が騙されたり損をしたりするようなビジネスではなく、双方がウィンウィンの関係を築くことが本来のあるべきビジネスの姿ではないでしょうか?
「三方よし」の精神がビジネスには求められる
日本の商人には昔からの「三方よし」という考え方があります。これは近江商人の経営哲学の一つで、売り手、買い手、世間の三方が満足するような商売が望ましいとの考え方です。
不利な立場にある相手方を騙して損をさせた上でお金を得、自分だけが利益を得る「自分ファースト」の考え方ではなく、取引相手ひいては社会にも利益が及びうるような取引が望ましいビジネスのあり方ではないかと私ローンウルフは考えています。