私は好成績を残した投資の結果が全てまぐれだとは思わない

2023年11月15日

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お疲れ様です、ローンウルフです。

私はこのブログでナシーム・ニコラス・タレブの著書「まぐれ 投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか」を引用することが多いです。それはこの著書の内容に共感することが多く、私が元々持っていた投資哲学と共通する部分が多かったからです。

ですがこの「まぐれ」というタイトルで誤解を与えているせいか、私が市場平均以上の好成績な投資結果を全てまぐれだと思っていると勘違いされていることがあるようです。ですが私自身は好成績を残した投資の結果を全てまぐれだとは思っていません。

「グレアム・ドッド村」の住人たちの寓話

市場平均以上の優れた投資結果を全てまぐれだと主張するのは、いわゆる市場合理仮説の厳格な適用者に多いようですが、私は彼らのように優れた投資結果が全てまぐれだとまでは思っていません。

なぜ私が優れた投資結果が全てまぐれだと思わないのかというと、市場合理仮説よりもバフェットが披露した「グレアム・ドッド村」の寓話に説得力を感じるからです。

この話はバフェットの師匠ともいえるベンジャミン・グレアムの著書「賢明なる投資家 割安株の見つけ方とバリュー投資を成功させる方法」に載っている、バフェットの講演会の内容です。

バフェットはアメリカ国民によるコイン投げ大会が行われるという想像上の話をします。毎朝、国民が表が出るか裏が出るかを予想した上で各々コイン投げをし、予想が当たった者は外れた者から1ドルもらうこととし、当たって得たお金は全て翌日の掛け金に回されます。それを毎日繰り返します。

その結果、20日後には全国民の中うち215人が1ドルを100万ドル以上に増やした勝者として残りました。(厳格な)市場合理仮説によれば残った215人は全くの運によって残っただけであり、完全にまぐれであると主張します。

しかし残った215人のうち50人が「グレアム・ドッド村」の出身であった場合、その結果は本当に完全なまぐれであったと言えるのでしょうか?

そしてバフェットはグレアムの師事を受けた投資家たちの事例を紹介し、彼らがそれぞれ異なったポートフォリオを組みながらも市場平均を大きく上回る優れた成績を残しているとし、市場が非効率になることが度々起こっていると主張しました。

とはいえ私は投資の結果が全て本人たちの実力によるものであるとも思っていません。そこには運の要素も大きく介在すると思いますし、市場全体を平均という物差しで見た時、その構造上市場平均を上回る人間がどうしても出てくるからです。全員が平均の成績に全て収まるなんてことはあり得ませんからね。

ですから私はその投資結果が運によるものなのか実力によるものなのか、どちらか一方に振れるような考えは持たずに自らの投資結果に懐疑的であるべきだと思うのです。投資の結果が運か実力かなんて言うのはその結果が出た後でさえ簡単にはわかりませんからね。

読んでもいないのに本の内容を決めつけるな

そもそもタレブの「まぐれ」という本の内容自体、投資結果が全てまぐれだと主張しているものではありません。本のタイトルも原著は「Fooled by Randomness(ランダム性に騙されて)」となっており、「まぐれ」というタイトルは日本の出版社が勝手につけたタイトルなのです。

これについては正直なところ私自身も過去に勘違いし、「まぐれ」を出版されたばかりの頃に見つけた時、タイトルだけ見て「ああ、効率的市場仮説関連の本なのかな?ウォール街のランダムウォーカーも読んだことだし別に買って読まなくてもいいか」と思って購入に至りませんでした。

その勘違いのせいで、書籍の存在を知ってから実際に買って読むまでに10年以上の月日が流れてしまいました。すごくもったいないことをしてしまったと少し後悔しています。

本を読みもせずに「あの本の主張は〇〇だ」と決めつけるようなことは意外と多いと思うので、読んでもいないのに内容を決めつけるようなことはせず、実際にその本を手に取って読んでみることが大切なのではないかと私ローンウルフは考えています。

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