今回も「利上げ後はしばらく株価上昇する」とは限らない

2023年11月15日

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お疲れ様です、ローンウルフです。

非常に好調な相場だった昨年とくらべ、軟調な展開を迎えている2022年のアメリカ株式市場。

元々金利とインフレ率の上昇などが原因となって年明けから相場が下落していたところに、ロシアによるウクライナへの侵攻が勃発。さらに下げ足を早めました。

このロシアによるウクライナ侵攻が起こる直前は、侵攻による株式市場への悪影響はあまり大きくないのではと言われていました。

それは「銃声が鳴ったら買え」「遠くの戦争は買い」という言葉を信じる人が多く、いざ戦争が始まったら悪材料出尽くしでむしろ株価が上昇するのではと見られていたからです。

侵攻開始後も株価が下がったウクライナ戦争

確かに直近の数回の戦争・紛争時においては、それが始まった直後に株価の上昇が起こりました。湾岸戦争、イラク戦争、2014年のクリミア危機においてはいずれも戦争や紛争が起きた直後から株価の上昇が始まったのです。

こうしたことから、今回のロシアによるウクライナ侵攻も、いざ侵攻が始まってしまえば株価の上昇が始まるのではないかという楽観的な見通しがありました。

確かに侵攻開始直後は株価が持ち直したものの、その後は再び下落に転じS&P500は過去最高値から一時13%まで下げ幅を広げました。

最近はだいぶ株価が戻ってきましたがまだまだ予断は許さない状況ですし、「銃声が鳴ったら買え」「遠くの戦争は買い」という言葉を信じていた人にとっては肝を冷やした展開になったと思います。

そもそも数回程度の事例を基に投資判断を下すのはサンプル数として少ないですし、ましてや今回の場合はコンセンサスのようなものまで形成されつつあったわけですから、より慎重に判断すべきだったと思います。

インフレ率が高い現在も「利上げ後はしばらく株価上昇」するのか

そうした中で最近になって聞こえ始めたのは、「アメリカが政策金利を上げ始めてもしばらくは株価上昇が続く」というものです。

確かに2000年代の利上げ局面ではいずれも複数年にわたって株価上昇が続きました。しかし今回も同じように利上げをしてもしばらく株価が上昇するという保証はどこにもありません。

また過去の利上げ局面で株価が上昇した時はインフレ率がおおむね1~4%内に収まっており、今回のようにインフレ率が7%台にも達していてなおかつ政策金利がわずか0~0.25%しかなかった中で過去の事例と同じように判断してしまって良いのでしょうか?

機械的な判断は危険

とはいえこれらの事例が全く参考にならないかと言えばそうではありません。それらの事例の発生後に何度も株価上昇が起きているというのは、その裏になんらかのロジックが働いている可能性が高いからです。

「歴史は韻を踏む」と言われるように、いくらテクノロジーが発達しようと人間の根本的な部分は変わりません。

しかしそれらの出来事の背景は毎回異なっているわけですから、機械的に「〇〇が起きたら株価上昇」と決めつけてかかるのは危険です。またそれが市場のコンセンサスになっているような場合はさらに警戒した方が良いでしょう。

その事象が起きているロジックをしっかりと吟味し、それが過去と同様の展開を迎えるかを熟慮すべきです。

ですからこれらの情報を聞いても機械的には判断せず、内容をよく吟味した上で投資判断を下したほうがいいと私ローンウルフは考えています。

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