ディフェンシブ銘柄を主力投資先にするのは意外とハードルが高い
お疲れ様です、ローンウルフです。
何度もお話している通り、私は不景気時にも業績が堅調なディフェンシブ銘柄をアメリカ株の主力投資先としています。
ディフェンシブ銘柄は株価も相場下落時に堅調であることから、当初は投資初心者の方でも手を付けやすい投資先であると考えていました。人は同じ金額の利益と損失であれば、損失の方が精神的により大きな影響を与えますからね。
しかし私がディフェンシブ銘柄を主力投資先としてから6年近く経ち振り返ってみると、ディフェンシブ銘柄を主力投資先とすることについて、自分が思った以上にハードルが高いのではないかと考えるようになりました。
多くの人は長期間にわたって他人が自分よりも儲けているのを見るのが耐えられない
なぜ私がディフェンシブ銘柄への投資はハードルが高いと考えるようになったかというと、人は自分が儲けている金額よりもっと多くの利益を他人が出しているのを見ていると、それに耐えることが難しい生き物だからです。
実際に2020年の7・8月頃、それまでいわゆるハイテク・グロース株系の銘柄を購入していなかった人たちが、これまでとっていた投資手法や投資先を諦め、次々とハイテク・グロース株系の銘柄やQQQのようなハイテク銘柄を多く含んだETFの購入を始めたのをよく見かけました。
コロナウィルス感染拡大に伴う株価急落後、ハイテク・グロース株系の銘柄は急速に値を戻しました。そして同銘柄群を保有し続けて利益を出していた人たちを見て、自らの利益よりも多く儲けているのが精神的に耐えられなくなって乗り換えたのだと思われます。
本来は他人がいくら儲けていようが自分の利益にかかわるものではないので、自らの投資判断に影響を与えるものではないはずですが、多くの人は他人と自分を比べてしまい、他人が自分より儲けているのを耐えられなくなってしまうのです。
しかし精神的に耐えられなくなって他の銘柄群へ「降伏」した時期が、往々にして相場のピークをつけることになるのです。
他人の投資成績が良いからといって自分の利益には何の関係もない
以上のことから、私はディフェンシブ銘柄を主力投資先の上、保有を続けるのは意外とハードルが高いのではないかと思うようになりました。
ディフェンシブ銘柄は上昇相場時には景気敏感株と比べて株価上昇率が相対的に低いので、こうした事態を招きやすいのです。
しかし本来は投資はあくまで自分がどうあるべきか・どうすべきかという話であり、他人がいくら利益を出していようが自分の利益額には影響を与えません。
その時期その時期によって利益が出やすい戦略というものがあるので、いちいち会ったこともない本当かどうかもわからない他人の投資成績など気にする必要はないのです。
こうした外部からの精神的影響を避けることが、ディフェンシブ銘柄へ投資を続けるのになりより重要であると私ローンウルフは考えています。
ディスカッション
コメント一覧
初めまして、Twitterブログ共に拝見させていただいております。
私は基本的には個別株投資を行わず、インデックス投資をメインにしているのですが、例えば個別株が1年で数倍になったりしたのを目にすると、本記事で仰られているまさにその通りに「自分より儲かっている人がいるのが羨ましい」と感じる自分を自覚します(そしてたまに個別株を買ってみたりもします)。
さて一つお伺いしたいことがありまして、ローンウルフさんは今のローンウルフさんの状況だからこそ、ディフェンシブ銘柄に好んで投資されているのでしょうか?
というのも、ローンウルフさんは現在セミリタイアされており、いくつか収入はあるものの公務員の時よりか収入に安定感がない状況かと思います。
つまりは現役で公務員や会社員をしている人よりも相対的にリスク許容度が低い環境であるが故に値動きの幅が比較的小さい、ハイテク等よりリスクが低いディフェンシブ銘柄を好んで持たれているのでしょうか?
コメントありがとうございます!
ディフェンシブ銘柄を選好している理由についてですが、今の自分の状況を理由としてディフェンシブ銘柄を選好しているわけではありません。きっと公務員を務めあげていたとしてもディフェンシブ銘柄を中心に投資していたと思います。
その理由についてですが、米国株投資を始めるにあたっては普通上げ相場で如何に儲けるかを考えると思うんですが、私は反対に下げ相場を如何にしてこなせばいいのかということを最初に考えたのです。その結果、下げ相場に強いディフェンシブ銘柄を中心に投資するという選択をしました。
私はバックグラウンドとしてパチスロで稼いでいた時期があったわけですが、その時は人が簡単には思いつかないであろう戦略を考えて利益を得ていました。その思想を米国株投資にそのまま当てはめたという感じですね。最初から下落相場を想定してポートフォリオを組む人なんてそうそういないでしょうから。
他の人が好むようなタイプの投資対象は、ボコボコに売り込まれた時に買おうかなと思っています。
ご返信ありがとうございます。
余談ですが、私は2019年末に行われた東京ドームの男祭りに関西からわざわざ行くほどのUVERworldの大ファンでして、投資界隈では同志が多くおりませんのでローンウルフさんにはものすごく親近感を抱いておりました!
またこのブログのタイトルの一滴の影響にもとても思い入れがありますね~。
この曲が作られるきっかけになった雷雨で中止となったイナズマロックフェスに申し込んでおりまして、翌年、中止の穴埋めとして開催された0日目LIVEに参戦したのですが、全crewの期待を裏切りなぜか一滴の影響をやらないという拍子抜けの展開で少し熱が冷めてしまいましたが…笑
下げ相場をこなすことを前提にポートフォリオを組まれているとのこと、なるほどなるほど、ローンウルフさんのお考えを総合すると、市場に歪み、特に個人投資家の心理的な歪みがあり、そこを突いて利益を上げるような印象を持ちました。
私はそういった歪みさえも全て機関投資家が基本的には是正してくれる、つまりは市場は効率的なのでインデックスしか勝たん派なので、市場に立ち向かい市場平均を超えようとされる姿勢は素晴らしいの一言ですね。
最後に一つだけ聞かせてください!今は独自にポートフォリオを組まれているかと思うのですが、最初からオルカン等のインデックス一本にした方がよかった、と思うことはありませんか?
コメントありがとうございます。
ゴンさんもUVERworldのファンだったんですね!一滴の影響が出来た経緯は知っていたんですが、翌年のイナズマロックフェスでは演奏しなかったんですね。確かにcrewからすればそこはマストでしょうという感じですね(;^^)
歪みを突く方法は数多くあると思うんですけど、歪みの是正に10年近くかかるような手法を取りたがる人はほとんどおらず、そこに優位性があるのではと思って下げ相場に強いディフェンシブ銘柄主体のポートフォリオを組むことにしました。
インデックスにしておけば良かったと思ったことはないですね。いわゆるオルカンはアメリカの比率が高すぎ、S&P500はハイテク系の銘柄・GAFAMの比率が高すぎると思ったからです。インデックスに投資するとどうしても過熱している国・セクターのウェイトが大きくなってしまうので(1980年代後半は日本の時価総額はアメリカを抜き世界の4割近くを占めていたわけですが、その後はご存知の通り)、自分は採用しませんでした。
ただし自分自身インデックス投資はとても有効だと思いますし、他の人にも勧めるのであればインデックス、特にオールカントリーを勧めると思います。