高齢者が生活保護を受給している理由が「浪費癖」って本当なの?
お疲れ様です、ローンウルフです。
先日とあるブログ上の記事で、こんな記事を見つけました。
この記事の中にはこのような記述があります。
しかし、最もカネを持っているはずの高齢者は、なぜか年金では足りず生活保護に頼っている。この理由は浪費癖です。若いうちから徹底的に散財して、将来設計などせずに遊びに遊び回っていたからです。
この世代は高級時計や高級車、身の丈に合わない豪邸を立てようとしたりゴルフやパチンコ、タバコや女遊びなど、挙げればキリがありません。
果たして高齢者が生活保護を受け始めた理由は浪費癖からなのでしょうか?生活保護の現場で実際に働いている私ローンウルフが解説したいと思います。
高齢者が生活保護を受給している理由は様々
この記事を書いた方が何を根拠にして生活保護を受け始めた理由を浪費癖であると断定しているのかはわかりませんが、この理由については明確に間違いであると言えます。
私が間違いであると断定できる根拠は、厚生労働省による「被保護者調査(平成28年度)」という調査を基にしています。被保護者調査の調査結果を基に、高齢世帯の生活保護申請理由を表にしてみました。
ただし注意していただきたいのが、例えば59歳で失業して生活保護を受給開始した人(病気・障害なし)が65歳に到達した場合、最初の時点では世帯類型上は「その他」という世帯分類に分けられますが、65歳に到達した時点で「高齢」世帯となるため、この表における「高齢世帯」は、65歳以上になってから生活保護を開始した世帯では必ずしもないということに注意が必要です。
逆に言えば65歳以上になってから生活保護を開始した人たちの理由をまとめたものの統計上の資料はないので、高齢者で生活保護を申請した理由が「浪費癖」であるということは断定できないのです。
こちらの調査によると、「貯金等の減少・喪失」を理由として生活保護を開始した世帯は42.26%であり、残りの生活保護を開始した理由として、傷病、要介護状態、失業など様々な理由があげられます。
そもそも開始理由の項目に「浪費」がないのに一体どうやって高齢者の生活保護の受給開始理由を「浪費」と断定できたのでしょうか…?
さらに言えば「貯金等の減少・喪失」が生活保護を申請した理由であったからといって、必ずしも「浪費癖」が原因で生活保護に至ったわけではありません。
持病がありながらも頑張って働き続けて多額の貯金がある状態で退職するも、20年近くたってついに貯金が底をついてしまった方、長いこと風呂なしトイレ共同のボロアパートでつつましく生活している方もいるのです。
こうした方々に足りなかったのは、お金の知識です。お金の知識があれば生活保護を受給しなくて済んだのになぁと思うことが多々あります。このブログを始めようと思った理由が、こうしたお金(主に投資ですが)に関する知識を提供し、少しでも生活保護に頼らずに金銭的に自立した生活を送れる世帯を増やしたいと思ったからなのです。
ただし残念ながら、中にはこれは「浪費」が原因としか思えない高齢世帯も私の受け持ちの中にいます。こういう方に対しては私自身も憤りを感じることがあります。しかし割合としてはそうでない人の方が多いです。
ここ数年は生活保護受給者は減っている
ちなみに最初に紹介した記事の中では、
厚生労働省によると、生活保護受給者数は214万人となっており、毎年のように受給世帯が増加しています。
とあります。確かに受給世帯数は平成6年あたりからずっと増加傾向にありますが、受給者数自体はここ数年減少傾向にあります。
こちらも同じく厚生労働省の被保護者調査を基にした、平成28年10月以降の生活保護の受給者数のグラフですが、減少傾向にあることが見て取れると思います。
理由としては、平成30年に入ってからは世帯数自体も前年同期比でわずかながら減ってきていること、高齢世帯数の増加を補うほどの他の世帯の世帯員数の減少が大きいことがあげられます。(高齢世帯は1、2人がほとんどだが、減少傾向にある母子家庭やその他世帯は3人以上の家庭が多い)
繰り返される生活保護に関するデマ情報
私は過去にもこうした生活保護に関する誤った情報が流れていた際に、その誤りについて記事にして指摘してきました。
生活保護に関してはブログの収入目的で注目を集めるため、平気で間違った情報を流してわざと煽るような内容の記事を書く人がいます。私が取り上げた記事にも、記事の最後に「ひふみ投信」という投資信託のアフィリエイト(成果報酬型広告)のリンクが貼ってありました。
世の中にはお金を儲けることが出来れば間違った情報を流しても問題ないと思っている人がいます。そうした考えには同調せず、今後も誤りを正すべく情報を発信していきたいと私ローンウルフは考えています。
ディスカッション
コメント一覧
これは良記事ですね。
(≧∇≦)ъ ナイス!
コメントありがとうございます。
元の記事が高齢者が生活保護を受給している理由を何の根拠もなく自らの思い込みで「浪費癖」と断定していたので、これはもはやデマであり、日々生活保護受給者を相手にしている自分がその誤りを正さなければいけないと思い急遽記事にしました。
自分のお金のためなら躊躇なく事実の捏造、根拠のない情報発信、自分に都合の悪いデータの隠ぺいを行っているのにも関わらず彼の信奉者が多いのですが、それにひるまず今後も地道に誤りを指摘して警鐘を鳴らしていきたいと思います。
個々の事情は人それぞれあるから、平均というか全体での話だけど。
1人の老人を支えるのに4~5人もの労働者がいて、
しかも人口ボーナスに支えられてきた世代が老後になって金が無いというのはさ、
1人の老人を支えるのに2人しか労働者がいなくて、
しかも人口オーナスに邪魔されている世代から見れば、浪費と言われても仕方ない。
若いころ何やってたの?って感じ。自己責任としか言いようがない。
お金の知識が足りなかったことが原因であっても、浪費だね。
国債を増やして給料をもらい、その支払いは次世代に押し付けてる連中の浪費だ。
コメントありがとうございます。
「個々の事情は人それぞれある」のであるからこそ、高齢者が生活保護を受給している理由が浪費癖だということは断定できないですよね?全体の話を持ち出したらそもそも生活保護を受けていない世帯の方が多いわけですし。
別に自己責任の部分がないとは私も言いませんよ。本当に耳を疑いたくなるような方もいますし。でも病気や障害、生まれた家庭環境などによって人生のスタートラインが人によって大きく異なるのも事実です。記事にも書きましたが、生活保護の現場で働いている私の実感からすると、浪費というよりもこの人にもう少しお金の知識があれば生活保護を利用しなくてもすんだのになと思える場面が多々あるのです。
私がこの記事の中で問題にしているのは、高齢者が生活保護を頼っている理由を「浪費癖」と断定していることであり、記事にある「若いうちから徹底的に散財して、将来設計などせずに遊びに遊び回っていたからです。」という表現には何の根拠もないので、もはやこれは単なる中傷に近いと思います。
あなたが嫉妬している相手は、あなたが思うような信奉はされていない(笑
多くの人はブログを真に受けて投資なんてしない。情弱老人じゃあるまいし。
ブログなんてものは読み捨てだから、ヒマツブシができれば良い。
正しさなんて求めてない。サクッと読んでヒマがツブせれば良い。
あの人はそういう世間相場を知っている。嘘を承知で人々のヒマツブシを叶えてる。
だから人気も利益も得られているが、あの人は自分が信奉されてるなんて思ってない。
あなたが思うような信奉などされてないから、あなたは心配しなくて大丈夫(笑
正しい文章が好きなあなたは、あの人のことなんて放置して正しい文章を提供すれば良い。
正しい文章に対して世間が認める価値の程度を知ることが怖くないなら、そうすれば良い。
コメントありがとうございます。
残念ながら私は嫉妬など1ミリもしていませんよ。投資の損失を取り返すために嘘までついてブログ書いて大変だなぁとは思っていますが。
あの人は知っている、あの人は自分が信奉されるなんて思ってないって、さも自分がご本人のような書きぶりをしていますが、別にあなたは「あの人」本人じゃないからそんなのわかりませんよね?
>あなたが思うような信奉などされてないから、あなたは心配しなくて大丈夫(笑
それはあなたがそう思ってるだけで、実際に他の人はどう思ってるかどうかはわかりませんからね。
私はこれからも私が書きたいと思っていることを書いていく、ただそれだけです。
私はブログネタが枯渇しやすいほうなので、自分に対する批判だとしてもこうしたコメントをくれると記事のネタにもなるので助かります。私は「あの人」のように自分に対する批判コメントでもきちんと公開していくので、またのお越しをお持ちしています(仕事がかなり忙しい時期は公開だけで返信が出来ないかもしれませんが)。